「・・・?」
第十八話:ベタな話も必要なんですよ奥さん!
此処んとこ味わってなかったような、そんな懐かしい感触に目が覚めた。
味わってなかったというか、暫く触れてなかったというか・・・。
腕に感じる少し柔らかい感触。不思議に思って手を動かすともっと柔らかいもんが手の中に収まった。
半目だった目をもう少し開いてみる。
そこには、
「・・・えぇ?」
裸の女が、というかが。
あれ?とは確かに同じ部屋で寝ているが、昨日は樹挟んで寝た筈。
大した寝相だなと思えないほど衝撃な光景。
何故、が裸で?というか、樹は?
愛娘の樹よりも目の前にある光景がやはり衝撃的で、そっちを優先に考えてしまう。
が裸・・・。おいしいっちゃおいしいが、何故?
さっきから何故何故と言っているが、本当に訳がわからない。
なんせ、は人一倍の恥ずかしがりで照れ屋。そんなが自分の布団に入って、更に裸でいるなんてありえない。
酔って脱ぐ事は多々あったが、昨日は飲んでいない。勿論、俺も。
遂には夢なのかと思ってしまうほど。というか、夢だよな、コレはどう見たって・・・。
それともアレか?日頃の行いが良い俺に神様が与えたプレゼント?(あ、遂に頭がイカれてしまった)
それより、の裸なんていつぶりだろーか。今のうちに見定めておくか。
「・・・総悟」
ドスの利いた声が頭上から降って来た(・・・え?)
瞬間、嫌な汗が背中を伝う。
あれ?は今、目の前にいるんじゃ・・・。
そう思いながらも、決死の思いで後ろを振り向く。
「総悟。・・・家で堂々と浮気かコノヤロォォォォォォォ!!」
包丁やら鍋やら刀やらバズーカなどが俺に襲い掛かって来た。
「何処の娘だコラァァァ!!つーか、何処までいった!AかBかCかDかァ!?(ガンッ、バキッ!ドンッ)」
「だだだっ!ちょ、誤解!大体、Dとか無いし古ィ!」
「ま〜」
「・・・ん?」
の暴挙が止まった。
聞こえて来た声の方を向く俺達。そこには、先程の似の裸の娘が。
『ま〜』って?
改めて見ると、真っ直ぐだがやけに茶色い髪。
茶色は茶色でも、チョコレートみたいな・・・
チョコレート?あ、そういや樹は?
あ、もうパンク寸前。
「まー、ぱー」
「・・・そういえば、いつは?」
「さっきからいねェ・・・」
「あぶぅ」
「・・・・・」
「・・・・・」
「「樹ィィィィィィ!?」」
そこで俺達の頭はパァーンッて音が鳴った。
ガチャ
「なんでィ、こりゃ」
「逮捕。因みに手錠は総悟の上着から拝借」
「いや拝借ってもう使ってんだけど・・・。ちょっ、俺が何したってんでェ!?」
「父親が娘に手ェ出したからに決まってんだろーが。児童虐待で逮捕」
「手ェ出したって見てただけなんだけど!あと事故なんだけどアレ!」
「見てただけって何だコラァ!立派な犯罪だよ!それに、事故でも触ってたじゃねーか!」
に逮捕された(俺Sなのに!)
「で、何が起こった、何が。というか、何プレイだ」
「プレイじゃありません、逮捕です」
「お前等いつの間にSとMの配置が変わったんだ?あ、どっちもSだったか」
「聞けコラ」
「コレが樹ちゃん・・・。いつの間にこんな・・・」
「一晩見なくなったうちに大きくなっちゃって・・・」
「バカだろ、お前等バカだろ」
バカに呆れてるの横で俺は罪悪感みたいなのが今更感じてきた。
だってよォ、父親が年頃の娘(の身体)を触って、更に凝視してたんだぜ?
よりでかかった(乳が)。更にピンクだった(乳首が)
「総悟。なんか変な事考えてない?」
「(ギクッ)いいいや、べ別に」
あ、どもってしまった。
「呼ばれて来てみれば、いっちゃん大きくなっちゃってんじゃないの」
「お妙さァァ(ボゴッ!)ぁごォ!!」
「ゴメン、妙。諸事情でこんな事になってしまって・・・」
「別に私はいいわよ、いっちゃんに会えるなら。ハイ、着物」
「(いつ限定?)」
は樹の着るものがないってんで、姐さんに着物届けに来てもらった。
「妙ェ。悪いけど手伝ってよ」
「しょうがないわねェ。ほら、いっちゃん。コッチ来なさい」
「あぅ?」
姐さんと、なんか楽しそうなんですが。
暫くして、と樹と姐さんが出て来た。
樹に纏ってる着物は春の野草をイメージしたような黄緑とそれを引き締める深緑の袴。
黄緑の長着の肩らへんには白桜が煩くない程度に散らばっている。
顔付きが幼くても、こういう大人っぽい着物は全体的に大人っぽく見せてくれる。
少し長めだけど短い髪には白い花の形をした髪飾りが付けられている。
ぶっちゃけ、似合い過ぎだ。
「私の傑作です!(興奮)」
「妙、気持ちはわかるけど落ち着いて。ちょっと見て下さいよ!流石総悟の子だと思いません!?(興奮)」
「言ってる傍からお前まで興奮してどうすんだよ」
俺の子だからなのか。いや、の子だからこそじゃねェか。明らかに似てるし。
今の樹の姿は推定15歳くらい。昔のとは違って、女にしては長身。
発する言葉が『あぅ』とか『あー』とかそんなばっかなのが、ちと残念。
マジで樹に将来、彼氏とか出来たら抹殺してるかも。
「まー(のてん)」
「いつ、重いよ」
「ぁ?」
学校に○こうか○スマ(どっちだっけ?)の親子のアレなんかいけるんじゃねーかィ?
惚気や親バカだと言われても構わねェ。コイツ等、可愛すぎるからマジで。
「それより、樹はどうしてこんな事になったんだ」
「さぁ・・・。あ、アレかな」
「アレ?」
「いや、ちょいと天人製のクッキー買ったんですよ」
「天人製?」
「ハイ。で、総悟に食べてもらおうと思って、いつが届かないように机の上に置いたんですが、一個なくなってて」
「なんで俺に?」
「総悟が三十路過ぎたらどんな感じかな〜という興味から・・・」
「しょーもねェ」
「なんだとぅ!」
「まとめると、ちゃんが興味本位でやろうとしたのが樹ちゃんに被害あってしまったって事だね」
「でも、どうやって取ったんだろう。いつが食べないように届かない机に置いてたのに・・・」
「まぶ〜」
仮に俺が食べて、三十路過ぎの身体になったらどうするつもりだったんだろう。
まぁ、の興味のおかげで未来の樹に会えた訳だし。
未来の樹・・・。
「この頃になったら親離れするんですかねェィ・・・」
「わかるぞ総悟!嘗て、お前が俺にベッタリじゃなくなった時は・・・」
「何言ってやがんでェ」
「・・・・・」
「ー・・・。樹が本当にコレくらいになった時、結婚するとか言われたらどうしよう・・・」
「お前がどうしようだよ。いくらなんでも15ぐらいで結婚は早いでしょ。母は認めないよ」
「その前に15ではまだ結婚出来ないけどね」
「煩い、黙れジミー。今の時代、女は16から結婚出来んだよ」
の毒舌に蹲ってしまった山崎。
最近彼女に振られたからか、更に精神が弱くなってるし(仕事では強いが)
「効果は食べて翌朝に出たら1日だけ。明日の朝には戻ってるでしょう」
「そうかィ」
明日には戻るのか。安心したのやら寂しいのやら。
ま、15年を待てばもう一回会えるんだがなァ。
それまで、今の樹みたいに可愛く可愛く可愛く(以下エンドレス)育てねェと。
+
翌日
「ぱ〜」
「お、戻ってらァ」
「害は無い筈だから大丈夫だよ」
「もしあったら、なんつーもんを俺に飲ませようとしたって話だ」
「総悟なら大丈夫よー(バカだから)」
「なんか聞こえたぞ。なんか心ん中で毒吐いたのが聞こえたぞ」
「それよりさァ、昨日のいつ可愛かったよねー(メロメロ)」
「ぅ?まぁ〜v」
「いつはやっぱりパパに似てるよね〜」
「あぁ、確かに似てなかったな、乳が」
「(ピシッ)ちょっと。聞き捨てならない台詞だねェ」
「事実だろ。まぁ、お前んとこは貧乳でも?うちんとこは巨乳でしたから?」
「腹立つーッ!!」
「うちの姉上ボインでしたから?」
「喋り方までムカツクんですけど!お前、娘だけじゃなく姉の乳見たんかィ!」
「姉上が俺の親代わりだったんでィ。風呂くらい一緒に入るだろ」
「あ、そういえば私も新ちゃんと入った事あるや。・・・って、話がズレたー!ムカツクーッ!!」
「ズラしたんはお前だから(むにゅ)」
「ぎゃぁっ!?」
「子供産んでもこんな貧相な乳じゃぁな・・・。のくせ、母乳は出てたとは(もにゅもにゅ)」
「うっさい!個人差だっつの!つか、いつまで揉んでる気だこのエロ親父がァァァァァ!!」
ドッカーンッ!!
「ぉー!(パチパチ)」
「樹。あーいう男に絶対引っかかっちゃダメだからね」
「ぁぃ」
「いい子いい子」
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この話に出てくる男共は『私の日常生活』より変態度アップしています、御了承を(今更)
(2009.6.1)