樹が生まれてまだ結婚してない頃の話。
第十五話:夫婦喧嘩は犬も食わない?
「いつ〜(ガラガラ)」
「まぅ〜v」
「いつ〜(ガラガラ)」
「あ〜v」
「いつ〜(ガラガラ)」
「ぁぶ〜v」
「いつ〜v(ガラガラ)」
「きゃぅ〜vv」
「・・・何回繰り返すんでィ、お前」
「あ、ゴメン、ウザかった?」
「あぁ」
「・・・(落ち込み)」
「あ、ウソウソ(本当は可愛いと思ってました)(言ってやんねェけど)」
「・・・それより、仕事中じゃなかったの?」
「あとは書類整理だけ。それなら此処でも出来んだろ?」
「そっか、お疲れ」
「あぁ、そうそう。今日、コレ届いてた。樹宛て」
「何?誰から?」
「現在、京にいる近藤さんから」
「明日帰ってくるんじゃなかったっけ?明日渡せばいいものの・・・」
「早く渡したかったんだろィ」
「そんなもんかねェ・・・。あ!」
「どうしたィ?」
「『沖田樹』になってるー!」
「あったりめーだろ。俺の子なんだから」
「違うもん!『沖田』じゃなくて『志村』!『志村樹』なの!」
「それだと俺が婿養子になっちまうだろーが!」
「私は元々婿養子派じゃィ!」
「なんでィそりゃ!」
「いつは志村家の第一子!新ちゃんの次に継がせるんじゃー!」
「んな事知るかィ!それを言っちゃ、樹は沖田家の第一子でェ!」
「それこそ知らねーよ!」
「めー!」
「あ、・・・」
「あっぶねー、樹の前で家庭崩壊するとこだった」
「いつ、アンタは志村だからね。志村樹志村樹・・・」
「洗脳すんなィ」
翌日
「という事が昨日あったの」
「・・・なんつーか、言っちゃっていい?」
「うん」
「くだらない、よね」
「う゛・・・。で、でも!志村の方がいいじゃん!」
「俺的には沖田の方がいいけどなァ・・・。ちゃんも苗字変わるってなんかいいじゃん」
「なんで!」
「んー・・・、人妻?」
「・・・退ってそういう趣味だったんだ」
「否定しないけど大丈夫、ちゃんに手は出さないから。つーか、出せないから(恐ェもん、あの人)」
「・・・・・」
「というのが先日ありやした」
「くだらねェ」
「なんですかィ、そりゃぁ。もし、俺が婿養子になったら志村総悟になっちまうんですよ!?」
「合わねーな、それは」
「ぁ〜」
「てか、なんで樹が此処にいんだ?母親どうした、母親」
「母親ならミントンしに行きやした・・・」
「育児放棄か?浮気か?離婚か?」
「ちょいと。なんでそこまで及ぶんですかィ(怒)」
「あぅ〜・・・」
「まぁ、沖田樹だろーが、志村樹だろーが、どっちでも合うからいいんじゃねーか?」
「ダメですぜィ。将来、樹が『けん』って呼ばれたらどーするんです」
「お前がどうするんだ」
「ぅ〜・・・(ゴシゴシ)」
「樹?眠いんか?」
「あい(コテン)・・・すー・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・父親譲りだな」
「どういう意味ですかィ」
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近藤さんからはお手玉を貰ったという設定で。
(2007.8.22)