苦しい。でも、私が頑張らないと。
この子も頑張っているのだから。
第六話:無事出産しました、元気です
ふ・・・、ふぎゃーっ!!
あぁ、産まれた・・・。
ダメだ、さっきから何かと戦っていたから産まれた事しか実感が無い。
産まれた、産まれたよ。
私の横に来た、まだ泣き続けてる赤ちゃんにちょんちょん、と。コレしかあやす事が出来ない。
この子が私と総悟の子・・・。そう思うと本当に嬉しくて嬉しくて涙が出てしまいそう。
ちょっとして総悟が分娩室に入って来た。
最初は一緒にいたんだけど、痛みで苦しかったあまり『出てけー!』とか言っちゃったからなぁ・・・。
『女の子ですよ』、看護師の言葉が耳に入った。
わかんなかったけど、女の子だったんだ(総悟、良かったね)
赤ちゃんが少し泣き止んだ頃、総悟は私の横に膝付いた。
そして『ありがとう』、そう言った(あ、泣いてる)
その後、赤ちゃんはケース(?)に入れられて並べられた。
明日からは私の病室のところに来るって。
今日は疲れたから明日なんてすぐだ。
そう思い、眠りに入った。
・・・入ろうとしたが、目が冴えてしまう。
疲れてるはずなのに、そう思ってたら明日退院の人が『眠れる?』と。
眠れませんと答えたら、私もそうだったのよと返って来た。
なんか興奮してる所為か、眠れないのよねーなどと呑気な事を言っていた。
・・・マジですか。
+
アレから無理矢理寝ようとして、眠りに就いた。
起きてみたら、妙に軽い気持ち。
ふわっふわしたような、こんな感じなのかな、出産後の妊婦ってのは。
赤ちゃんが部屋に来た。
すやすや眠っていて可愛い、総悟似だ(髪の色チョコ色)(いや、チョコ好きだからじゃなくて本当に)
頑張ったね、とそういう思いを込めて微笑む。
部屋に来る前、色々と説明されたな。母乳のあげ方とかミルクとかおむつの替え方とか(母乳出るのか?私)
教えてもらうような人いないからちょっと大変だ、多分。
だって、私にも総悟にも親はいないんだもん。
起こさないようにそっと触れてみると、柔らかい感触が。当たり前だけど。
昼、母乳飲ませて今は寝ている(ミルクになりそうだ)(かなしい)
すると、やけに廊下が騒がしい・・・。妙に嫌な予感が。
ガラッと開かれたドア。今、病室には私一人。
「姐貴ーッ!!」
予感的中。
やっぱり足音は神楽ちゃんで、もうそれは褒めたいほどの元気っぷりで私のところに来た。
つか、今ので起きちゃったんじゃないのかな・・・。
「神楽ちゃん・・・!此処、病院!」
「ったく、だから置いていけって言ったんだ」
「その前にお前はいらん」
「んだとコラ」
「あの、此処病院・・・」
「ちゃーん」
ぞろぞろと入ってくる(ホント、騒々しい人達)
つか、勢揃いじゃねーか。ある意味びびるよ(とっつぁんまでいる)
あーもう、確実に起きたな。
・・・でも、泣き声が聞こえないって事は寝てる?(父親そっくり?)
「姐貴、さくらちゃん」
「(まだ命名してないんだけど)此処にいるよ」
指差したら、皆さん凄い勢いで押しかけてきた(ちょっとォォォォ!!)
その様子に私と総悟は一緒に溜め息吐いてしまった。
「さくらちゃん!」
「あれ、起きてんじゃん」
「泣かねーな」
「え、マジですか」
見ると、さくらちゃん(仮)は本当に起きていた。
なんだ、泣かない子なのか?それはそれでちょっと恐いんだけど。
さくらちゃん(仮)はまだ見えない目を開けてボーっと天井を見ている。
その後、なんか皆は気持ち悪いくらいにさくらちゃん(仮)にメロメロだ(あの、私の子供・・・)
「で、名前は決めたのか?」
「今んとこ、さくらちゃん(仮)」
「(仮)ってなんだ、(仮)って」
「だって、決めるに決められないんですよ。色々と思い浮かんではいるんですが」
「よし、俺が決めてやろう。銀、」(銀時)
「ハイ退場」
「なんでェェェ!!まだ言い終わってないのに!」
「女の子なのに『銀』で始まる名前がありますか」
「だから、栗子だろ」(松平)
「いーや、妙だ!」(近藤)
「どれもダメ。大体、妙はうちの姉の名前だし」
「とっとと消え去りなさい、ゴリラ」
「桜花(おうか)ちゃんはどうですか?」(新八)
「漢字はいいけど、ダメ」
「恵理子ちゃんは?」(お妙)
「なんかなー・・・」
「ま」(土方)
「退場」
「まだ言ってねェェェ!!」
「『ま』の時点でマヨネーズ関係でしょうが」
「そこまでマヨネーズに執着してねェよ!愛未(まなみ)って言おうとしてたんだよ!」
「へー、そうですかィ」←採用する気なし
「総悟テメェ・・・っ」
「ミントちゃんってのは?」(山崎)
「欧米か!それ絶対、『ミントン』から来てんだろ!」
「やっぱりさくらアル!」(神楽)
「んー・・・。総悟は?なんかない?」
私は色々あるけどね。でも、どれも迷う。
けど、決めないと出生届が出せない。
「・・・樹」
「樹?」
いつきちゃん。・・・あ、いいかもしれない。
樹、樹・・・。樹ちゃん。
「由来とか特にねーけど、樹っていいと思いませんかィ?」
「樹か・・・。その名の通り、大きな心持つといいな」
「樹ねェ。ま、最終的に決めんのは夫婦だし」
「私はいいと思いますよ、樹ちゃん」
「そうですね。樹ちゃん。いい名前ですよ」
皆それぞれの意見を言う。
樹。その名前にしちゃおうかな。樹≠熕A物だしね。
よし、
「樹ちゃん。うん、この名前にします」
「名前決まったアルヨー、さくらちゃん!」
「いや、樹だって」
ま、いいか。
← ■ →
名前は樹≠ノ決定致しました。
考えてくださった方はもしかしたら、男の子としてだと思いますが、女の子にしちゃいました(汗)
ですが、素晴らしい名前でしたので名前は樹ちゃんに決まりました。
変換出来るようにともありました。
確かに最初はそうしようかなと思っていましたが、固定の方がいいなという結果に。
双子という意見もありましたが、流石に2人育てるのはちょっと無理があるかと(私が)(え)
でも、何年後かに2人目が誕生しちゃったりしなかったり(・・・)
では、次回から樹ちゃんも交えてシリーズを書きたいと思います!
(2007.3.12)