第十三話:応





「ギャァ!」


バキッ!!


「ッ!何、
「何、じゃないさ!あー、びっくりした」
「いきなり殴られた俺の方がびっくりしたんだけど」


何故か蔵馬と一緒にベッドで寝てた。
目を覚ました時に男が添い寝してたら驚くわ、普通。


「そもそも、が勝手に入ってきたんでしょうが」
「え゛」
「他の女性達は皆、各々の部屋に帰ったって言うのに、貴女だけ俺のベッドで寝て」


そっからは蔵馬のお説教タイム。
蔵馬が説教モードになってしまったら、私は言い返す言葉も無くなる。
というか、蔵馬に逆らったり、優位に立つなどと言った事は滅多にないのだ。


「さて、。闘技場まで一緒に来る?」
「行く」


なんか闘技場変わったって言ってたしね。付いて行かなきゃわからんよ。
しかし、昨日も言ったが、なんだかんだでもう準決勝か。
・・・幽助と幻海師範が未だに戻って来ない。
こりゃ、この3人だけで戦わなきゃいけなくなりそうだ。











はて、ついて来たはいいが、一人で観客席に座るのもアレなんで、3人についていった。
勿論、仮に私が補欠だとしても試合に出る事は出来ない。
今日は間近で応援させてもらうとしますか。




「第一試合は飛影VS魔金太郎選手。対戦方法は1対1の5戦方式。対戦相手はサイコロに委ねる事となりました」


お、そういえば、飛影は久々の対戦じゃないかねぇ。1回戦も2回戦も出てなかったからね。
ていうか大丈夫なの、あの子。右腕は回復したとはいえ、ベストの状態じゃないし。
・・・なんて、無駄な心配だったかしら。


「勝負あったな」
「うん」
「?」


んー、相手が弱すぎたのか、飛影が異常に苛立ってるからなのか。
どちらにせよ、目を見張るくらいの早業。


「殺った!」
「残像だ」
「はい?」


瞬殺とはまさにこの事ね。
実況挟む間もなく、魔金太郎を撃破。

次の試合もコッチは自由に選べる筈なのに、飛影はさっさと勝手に自分を選んでしまった。
対戦相手は飛影の刀で指を切ったかと思うと、団子を食った途端、姿も妖気も禍々しく変化していった。


「始め!」
「さぁ、このナマクラ刀は返すぜ。もう俺にはこんなものは通用せん!」
「おもしろい、試してやるぜ!」


得意の素早さで黒桃太郎に切りつけようとするが、奴が言ったとおり、飛影の刀は通用しなかった。
飛影は身を翻したが、


「遅いなァ」


黒桃太郎が飛影に追いつき、場外へと吹っ飛ばした。
え、あの子より速い奴、いるの。
観客は飛影の強さを知っているからか、彼が吹っ飛ばされた事により、殺せコールが会場に鳴り響く。


「奴等専用の魔具を持つ特別な妖怪か!自分のペースに持ち込んだら、恐るべき力を出すぞ」


あれま。どないするよ、飛影さん?









  





戦闘シーンって、苦手だしめんどいし、省略します(←)
今回の一文字タイトルは応援の「応」で。
(2010.5.16)