「よ、おはよ」





第三話:盗





「幽助!」


ベランダから下り、開けっ放しだった玄関から入った。


「あ?なんだ、お前も来たのか?おせーよ」
「う、煩いわね。あ、アンタ、本当に生きてる?生きているんだね?」
「な、泣くこたぁねーじゃねーか」
「仕方が無いじゃない。幽助が死んだなんて信じられなかったんだから」


生き返るって事が知ってても、いざ本人を目の前にすると嬉しくて涙が出てしまう。
でもね、幽助。霊界に関わったって事は、コレから先のアンタは・・・。







+



ピピー、


おや、霊界通信機から。珍しいな。


「はいー、コチラ、」
『大変だ、!』
「・・・コエンマ。失礼も程々にしときなよ」


いきなり用件に入ろうとするコエンマに一喝。


『う、すまん。いや、それより大変なんだ!闇の三大秘宝が盗賊に盗まれてしまったんだ!』
「警備が甘かったんじゃないの?」
『う、煩い!幽助には2つまで宝を取り返してもらったんだが、最後の奴が厄介でな』
「ふーん。私に宝を取り返すのを手伝えと?」
『頼む!この通りだ!』
「・・・後で依頼料徴収するからね」


そう言って、制服から動きやすい私服に着替える。





ったく、めんどいな。
ま、厳重に保管されてただろう闇の三大秘宝を盗んだとなれば、相当な手馴れた奴にしか出来ないだろう。
・・・此処は久々に術を使うか。







あちゃー、幽助やられてんじゃん。
ん?あそこに寝ているのは螢子。なんで・・・。
よくよく見てみると、螢子の額に目が開きかかっている。
あり?かなりヤバイ?
んー・・・、よし。




「オイ」
「あ?・・・!?」
「なっ・・・」

ドギャ!

「ぐっ・・・」
「どうだ?自分にやられる気分は」
「ひ、飛影が二人・・・だと?」
「なっ・・・!」
「幽助、今だ!」
「え、あ、・・・な、なんだか知らねーが、よ!」

ドゥ!

「なに!」


幽助の霊気の弾(霊丸と言うらしい)は飛影の体にあたる事はなかった。
が、避けられた後の弾は鏡みたいなのにぶつかり、光が反射したみたいに飛影の背中にヒットした。
・・・こりゃ、私必要なかったんじゃね?









  





戦闘シーンは苦手なんですって。
(2009.4.10)