「あーあ。俺も見たかったなぁ、ちゃんの女子姿」
「退、まだ言ってるの?正月には着るようにするからさ」
「まだ先の話じゃないか」





第二十訓:オフの日まで仕事するものじゃない





総悟も私も久々の非番。
そこで総悟が格闘技でも見ないかと言われ連れられたはいいが、格闘技は格闘技でも女子格闘技だった。
因みに今の試合はつっちゃん(お通)VS春菜(何やってんのあの子)


「いけぇ!春奈ァ!」
「え、お前、そっち応援すんの?」



「感動したぞォォ!」
「おぉーっと!リング上に乱入者が!何者だァァ!?このチャイナ娘、何処の団体だァ!?」
「えー、私の名前はアントニオ神楽。故あってお通の助太刀をするアル。かかって来いコノヤロー!ダーッ!!」


いやいや、何であの子もいるの。ていうか、何乱入しちゃってんの。
あの子達(神楽&お通)がいるって事はどっかにアタイの弟もいるのかしら。


「春奈ァァ!何やってんだァ!何の為に主婦やめたんだ!刺激が欲しかったんじゃないのォ!?」
「いや、お前の発言が刺激的・・・ん?」


およ、弟(+α)発見。






「いやー、奇遇ですねィ」


確かに奇遇だけど、若干予想はしてたよ。


「姉上。まさかと思いますが、デートですか。沖田さんとデートですか!?許しませんよ、僕ぁ!!」
「いやいやいや、誰がこんなサディスティックな楽しみ方してる奴とデートなんか」
「・・・それより旦那方。暇ならちょいと付き合いませんか?もっと面白ぇ見せ物が見れるとこがあるんですがねぃ」
「面白い見せ物?」
「まぁ、付いてくらぁ、わかりまさぁ」




そしてやってきた煉獄関。
何回見ても慣れないものよねぇ。


「明らかに違法じゃないですか。姉上、沖田さん。アンタ等それでも役人ですか?」
「役人だからこそ手が出せない。此処で動く金は莫大なんでね。幕府(おかみ)も絡んでると来た」
「下手に動けばウチも潰されかねないんでね。コレだから組織ってのは面倒でいけねェ。自由なアンタが羨ましーや」
「・・・言っとくがな、俺ァテメー等のために働くなんざ御免だぜ」


あらら、おかしーなぁ。私も総悟もアンタは同種だと思ってたのに、以外に大人なのね。
世の中、理屈で動かない時だってあるでしょ?


「どーか、土方さんや近藤さんには内密に・・・」











あーあー、折角のオフだってのに。
なーんでこんな日まで仕事せにゃならんのでしょう。
理屈だけじゃ動かねーけどよ。


「中々適さんも尻尾を出さねーな。ザコをやったところで何も出てこねーや」
「いやいやいや、アンタちっと暴れ過ぎだから」

「オフの日まで仕事とは御苦労だな」
「「ゲッ」」
「お前達がそんなに働き者だったとは知らなかったよ」






翌日


「まぁまぁ、遠慮せずに食べなさいよ」
「・・・何コレ」
「旦那、すまねぇ。全部バレちゃいやした」
「いやいや、そうじゃなくて。何コレ?マヨネーズに恨みでもあんの?」
「カツ丼、土方スペシャルだ」
「こんなスペシャル、誰も必要としてねーんだよ。オイねーちゃん、チョコレートパフェ一つ!」
「お前は一生糖分でもとってろ。どうだ総悟、。ウメーだろ」
「スゲーや土方さん。カツ丼を犬のエサに昇華できるとは」
「スゲーコレステロール摂取ですね」


でも以外に合ってるかも。マヨネーズの半端ねぇ量はともかく。
ったく、何で私達まで食べさせられるかなぁ。奢られてるとはいえ、全然ありがたくねーんだけど。
もー、土方さん容赦ないんだから。昨日もこってり絞られたし。


「テメー、総悟やに色々吹き込まれたそうだが、アレ全部忘れてくれ」
「んだオイ。都合のいい話だな。その感じじゃ、テメーもあそこで何が行われてるのか知ってんじゃねーの?大層な役人さんだよ。目の前で犯罪が起きてるってのに知らんぷりたぁ」
「いずれ真選組が潰すさ。だが、まだ早ぇ。腐った実は時が経てば自ら地に落ちるもんだ」


銀さんは聞いてるのか聞いてないのかわからんが、鼻くそをほじり出して飛ばした(汚っ)


「オメー、土方スペシャルに鼻くそ入れたろ。謝れコノヤロー」


お前がカツ丼に謝れコノヤロー。
話の流れ上なのか、土方さんが黒幕の正体を暴いた。
天導衆・・・。幕府が絡んでたっていうのは勘付いちゃいたけど、そん中でもかなり厄介な奴だね。
こりゃ、私と総悟も無理な話さ。





その夜、鬼道丸が殺された。











  





約2年ぶりの更新。
実はこの話、約2年掛けて書き上げた(←)
(2011.4.10)