「そしたらその女、ニヤッと笑ってさ、」
「マヨネーズが足りないんだけどォォ!!」
「ぎゃふァァァァァァ!!」





第十七訓:なんだかんだ言って怖いんじゃね?





「副長ォォォォォ!!なんて事するんですかッ!大切なオチをォォ!!」
「知るかァ!マヨネーズが切れたんだよ!買っとけって言っただろ、焼きそばが台無しだろーがァ!」
「台無しにしたのはアンタだろうがァ!怪談話のオチとその焼きそば台無しにしたのアンタだろうがァァァ!!」
「んだコラ、やんのか


稲山さんの怪談話に(怖いと思いつつも)夢中になってたのに、このドマヨラーの所為で全てが台無しだ。


「アレ、局長?局長ォォ!!」
「大変だァ!局長がマヨネーズで気絶したぞ!最悪だァァァ!!」



「くだらねェ。どいつもこいつも怪談なんぞにはまりやがって」


ギャーギャー騒ぐ野郎共を背後に私達は隣の部屋へ。
確かに局長がマヨネーズで気絶しただなんて恥ずかしくて何処にも口外出来ないよ。


プ〜ン
バシィッ!!


「ぶごぉっ!・・・何しやがんだィィィ!!」
「蚊」



死ねェ〜。



「「ん?」」



死ねよ〜。土方〜、お前頼むから死んでくれよぉ〜。



「・・・土方さん」
「なんだよ」
「や、あの、外から聞こえてくるみたいなんで、確かめてくれませんか?」
「なんだお前。普段偉そうにしてるくせに幽霊が怖いってか?(カタカタ)」
「その台詞、ケツバットおまけにして返してやりますよ」
「チッ・・・、わーったよ」


パンッ

ビクッ!


土方さんが開けた障子からは白装束を着て、頭にろうそく刺した総悟が。
咄嗟に手を後ろに回していたが、何か持ってるだろう。てか、ぶっちゃけ金槌じゃね?


「・・・何してんだテメ〜、こんな時間に?」
「ジョ、ジョギング」
「や、そんな格好でジョギングなんてしてたら頭火達磨になるし、そんな姿見たらトラウマになるから」
「つーか、儀式だろ?俺を抹殺する儀式を開いてただろ!」
「自意識過剰な人だ。そんなんじゃノイローゼなりますぜ」
「何を・・・、!」


なんだ、急に黙っちまったぞ、この人。


「どうしたィ、土方さん」
「総悟、。今あそこに何か見えなかったか?」
「いえ、何も」


なんだ、何を見たってんだ、この人。
まさか、ゆゆゆゆ幽霊とか言うんじゃないだろうな?もー、土方さんってば臆病☆
え、私は違うよ?私は怖くない・・・といいな〜(やっぱり怖いんです、すみません)


「ぎゃああぁぁぁ!!」


ギャァァァァ!!(吃驚)
え、なに、なに?何が起こったの、ねぇ!


「わばばば、まさかまさかまさ・・・!」
「落ち着け(パンッ)」











次々と出てくる気絶者。コレで17人目だとか。
でも皆良かったよ、気絶だけで済んで。食われてなかったから良かったよ。


「ちゃーん、皆気絶だけで良かったね、ちゃーん」
「そうだねー、よかったねー、ちゃーん」
「お前かよ」
「マミー、私も倒れそうだったけど頑張ったよマミー」
「誰だィ、マミーて」
「俺かな、なんとなく・・・」
「じゃぁ、俺はなんでェ?」
「お兄様」
「マジでか」
「パピー、マミー。兄ちゃんが苛めてくるー」
「この年にして18の子供が2人いる設定か・・・というか、俺男だし」


真選組家族完成(他の皆様はおじ様かお兄様)(お兄様は総悟と退のみ)








「皆うわ言のように赤い着物を着た女と言ってるんですが、稲山さんが言ってたアレかな?」
「バカヤロー、幽霊なんざいてたまるか」
「稲山さんバカにすんなコノヤロー。過去にどれだけ泣かされたと思ってんだマイマミー」
「オーイ、稲山が寝てるの何処だー」
「パピー、マミー止めて」


まさか稲山さんに襲い掛かろうとするとは思わなかったもので(因みにさっきのは事実です)(怪談話苦手)
近藤さん(パピー)が抜き身をした土方さん(マミー)を止めに行っている。
そんな光景を眺めていたら、『局長!』と向こうから声が。


「街で探して来ました拝み屋です」
「どうも」


・・・・・、
・・・胡散臭ッ!


「この人達に霊を祓ってもらおうと思ってな」
「オイオイ冗談だろ。こんな胡散臭い連中・・・」
「あらっお兄さん、背中に・・・」
「なんだよ・・・背中になんだよ」
「ププッ、ありゃもうダメだな(ゴニョゴニョ)」
「何コイツ等!斬っていい?斬っていい!?」

「マミー死んじゃうの!?(ガーン)」
「(邪魔者一人消滅イェー)」
「大丈夫ネ、姐貴。じゃなかったゴリラ」
「アレ?今姐貴って言わなかった?ゴリラって言わなかった?」







「ざっと屋敷を見させてもらいましたがね、こりゃ相当強力な霊の波動を感じますな、ゴリラ」
「あ、今確実にゴリラって言ったよね」
「まぁとりあえず除霊してみますかね。こりゃ料金も相当高くなるゴリよ」
「ん?口癖?」
「して、霊はいかようなものゴリか」
「移った!」
「えーと・・・工場長(パンッ)」


んん?工場長とは?ベルトコンベアに挟まったって?
いやいや、皆が言ってたのは赤い着物着た女って・・・、


「間違えました。ベルトコンベアに挟まって死んだ工場長に似てるって言われて自殺した女の霊です」
「なげーよ!工場長のくだりいるかァァ!?」


ん〜、なんか訳わかんなくなって眠くなって・・・、


「くかー」
「・・・母さんや。話がややこしくなったから寝てしまったよ、娘が」
「そのネタいつまで続くんだ」
「(パチ)お前が生きていく限り」
「起きてんじゃねーか」


その後、退ごと霊がしばかれた(?)
え?霊が入ったって?あれ、今しばいたんじゃ・・・。
つーか、工場長の霊じゃねェかァァァ。


「アレ?なんだっけ」
「バカッ、お前、ベルトコンベアに挟まれて死んだ女だよ」
「ベルトコンベアに挟まれる女なんている訳ないでしょ。ベルトコンベアに・・・アレ?」


おやや?なーんか変な方向に。
ちょっとちょっと、話が矛盾と言うかもはや作り話になっていっちゃってるよ?
あら、掴み合い。


パサッ


「あ」












ミーンミーン、ミーンミーン


「・・・新八。姉ちゃんの給料に文句あるなら言ってみなさい」
「ありません。悪気もなかったんです、仕事もなかったんです、お金もなかったんです・・・」


まぁ、仕事ない=お金がないって事なんだけどさ。






「・・・何してんのアンタ等」
「えっ、いやあの・・・いや〜、偶然スね、姉上」
「本当ね〜。まさか屯所に実弟が来るなんて思わないもの」
「なんつーかあの・・・、霊もいなくなったみたいだし、僕等そろそろ失礼しま・・・」
「待たんかィコラ。オイ沖田。お前のロープ持って来い、30メートル程」
「アイ、サー」
「なんで持ってんだよ、お前」







回想モード終了(いきなり始めちゃってゴメンなさいね〜)
コレこそまさに公開拷問♪(弟妹だからって容赦しません。特に白髪パーマには)


「銀ちゃん。私、頭爆発しそう、パーンって・・・。助けて」
「オーイ、いたいけな少女が頭爆発するってよォ!いいのかテメー等!この漫画終わるぞコラァァ!!」
「次回から『真選組血風帳』スタート!みんな絶対見てくれよな」
「あ、コレ僕等殺されますね」



「オイ、トシ。そろそろ降ろしてやれよ。いい加減にしないと総悟とちゃんがSに目覚めるぞ」
「何言ってんだ。アイツ等はサディスティック星からやってきた王子と姫だぞ。もう手遅れだ」







大人の事情って奴で結局降ろす事に(あー、楽しかった)
人をいたぶるって事がこんなに気持ちいい事とは知らなかったー♪(サドの悦びを知った)
大体、軽いノリであんな事すっからこんな事になったのよ。
・・・しゃーない気もするけど。


「本来ならテメー等みんな叩き斬ってやるとこだが、生憎テメー等みてーのに関わってやるほど俺達も暇じゃねーんだ。消えろや」
「あー、幽霊恐くて、もう何も手につかねーってか」
「かわいそーアルな。トイレ一緒についてってあげようか?」
「武士を愚弄するかァァ!!トイレの前までお願いします、チャイナさん!」
「お願いすんのかいィィ!」

「いや、さっきから我慢してたんだ。でも恐くてなァ」
「ホラ行くヨ」
「オイィ!アンタそれでいいのか!?アンタの人生それでいいのか!?オイ!」


あ、目から塩水が。
なんだよ、アレ。武士の集団の大将があんなんでいいの?(今更不安)
ゴリラとチャイナとか微妙な組み合わせだな。身長差凄いし。


「テメー等、頼むからこの事は他言しないでくれ。頭下げっから」
「・・・なんか相当大変みたいですね、大丈夫ですか?」
「ほんっと、情けないよ。私だって土方さんだって頑張って生きてんのにさァ、他の野郎共ときたら・・・」
「オイ、何俺入れてんだ?俺ァ別にアレだ、全然大丈夫だ。てか、アレ等は死んでねェぞ」


あり?今言ってて普通に平気なのって総悟と稲山さんだけ?(つくづく情けねー)


「え?何?おたく幽霊なんて信じてるの?痛い痛い痛い痛い痛いよ〜。お母さ〜ん、此処に頭怪我した人がいるよ〜」
「お前いつか殺してやるからな」
「まさか、土方さんも見たんですかィ?赤い着物の女」
「わからねェ。・・・だが、妙な気配は感じた。ありゃ多分、人間じゃねェ」
「痛い痛い痛い痛い痛いよ〜、お父さーん!」
「絆創膏持って来てェェ!出来るだけ大きな、人一人包み込めるくらいの!」
「ヤダヤダヤダヤダヤダァァァァ!!実家帰るぅぅ!新ちゃんんんんん!!」
「オメー等、打ち合わせでもしたのか!そしてお前は落ち着け!(パンッ)」


コレが落ち着いていられようか!(混乱しすぎて日本語少し変)
只でさえさぁ、恐い話聞いて、皆倒れちゃって、更に目撃証言とか。私もう此処で生きていけない。




「赤い着物の女か・・・。確かそんな怪談、ありましたね。僕が通ってた寺子屋でね、一時そんな怪談が流行ったんですよ」


いやいや、『ありましたね』でも『流行ったんですよ』じゃないよこの子はァァァ!もォォォォ!!


「えーと、なんだっけな。夕暮れ刻にね、授業終わった生徒が寺子屋で遊んでるとね、もう誰もいないはずの校舎に・・・」
「い゛や゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛!!ぐがッ!」
「コイツ抑えとくからとっとと話せィ」
「沖田コノヤロォォォ!!もがが!」
「えー・・・、はい。・・・で、誰もいないはずの校舎に・・・、真っ赤な着物着た」
「んがぁぁぁぁ!!」
「(ブチ)・・・オイ総悟、それ縛って口封じろ」
「へぃ」
「え、ちょ、何すんじゃコラァァァ!もがが!」
「・・・真っ赤な着物着た女がいるんだって。それで、何してたんだって聞くとね・・・」

「ギャァァァァァァ!!」


い゛や゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛!!(涙)
何!今度は何が起こったのォォォん!



「ゴリラー。どうしたか〜、チャックに皮挟めたか!?」
「神楽、どうした!」
「チャックに皮が挟まったアル」







「・・・へいうは、あらひ、ほうひ?(ていうか、私、放置?)」











「・・・・・」
「いや、ホントマジで悪かったって」
「俺も縛っておきながら忘れてて悪かったって」
「ゴメンね、ちゃん。俺が大声出さなかったら寂しい思いしなかったのにね」


その日、朝まで放置されてた私(トイレとか、そういう事は聞かないでいただきたい)
信じられないよね。蚊がたくさん飛び交っている中、私を外に放置ですよ。


「あー・・・、なんかあちこち痒いなぁー」
「ほらコレ、ウナコーワあるよ」
「さっき、退に塗り薬塗ってもらったからいい」
「マジでそろそろ機嫌直してくれィ」
「今朝もさ、あの弟とガキに散々やられたんだよ」


確かに傷だらけですね、お二方(土方&沖田)
でも、しばいておきながらアイツ等も忘れてたよね。


「・・・指示したお前とそれを実行したお前は許してやんね(プン)」


3日経てば許してあげるけどね。











  





最後の方、めんどくさくなったんです(ぇ)
(2009.5.30)