「ったく、下劣犯罪者が義賊気取ってんじゃないってんだよ。・・・あれ?」





第十四訓:油断せずに行こう





え、え、え・・・あれ?
ない、ない、ない。あれれ?
ない。・・・パンツが。


「え、ちょっと待てよ。昨日取り込んで、確かにタンスに仕舞ったのに・・・」


あ、(何年も穿いて擦り切れた)パンツ発見。
・・・ん?




【ハハハハ、己のパンツは変態の手に渡ったのだ!   怪盗フンドシ仮面】




・・・・・。


「オーイ、。お前、書類ミスしてん」
「どぉぉりゃぁぁぁぁぁぁ!!!」
「ぞあぁぁぁぁぁ!!?」

ズドンッ!!

「いっい、いきなり何しやがんだテメェェェェ!!」
「なんだ、土方か(ズボッ)」


部屋に立てておいた長刀で入って来た人物を刺(し殺)そうとしたら、土方だった。
まぁ、それはそれで別にいいんだけど。


「紛らわしい時に現れんじゃねーよ、クソが」
「クソがって・・・俺仮にもお前の上司なんだけど!」
「いっちいち煩せェんだよ。ヘビースモーカー&マヨラーが(ズッ)」
「つかお前、大事な書類に何て事してくれてんのォ!?」
「あ゛〜・・・(ブチブチ)」
「え、何」
「今は紙見ただけで苛つくぜェェェェェ!!(バリャ!)」
「あ゛あ゛あ゛あ゛!!おまっ、なんて事ををををを!!」







「やーだーっ、土方のバカー」
「自分の無用心にキレたからだろーが。書類、最初から書き直しだバカ」
「いや普通、警察に乗り込んでまで下着ドロしますか!びっくりしたんですから私ゃ」
「大体アレだな、お前の下着盗むなんざ大層物好き・・・、あれ」


怒りに任せて書類を破った所為で、その書類を再び貰いに副長室へ強制連行。
で、部屋に入った土方さんが固まった。
そしてちゃんは見た!


「・・・モテない男の勲章ですか、コレ」


部屋の真ん中に女物の純白パンツが(あ、似てるの持ってた)




「土方さーん。書類出来たんで、目通しお願いしま・・・す?」


そして、いつもながら絶妙なタイミングで総悟も見てしまった(モテない男の勲章を)
土方さんはというと、・・・瞳孔が更に開いている。


「こいつぁ、例のモテない男へ配られるパンツかィ?(ひょい)」
「(カッ!)」

ズババッ!


あ、斬ってしまった。
つーか、モテない事に怒ってんの?アンタ。


「そういやぁ、近藤さんも山崎も他皆も貰ってたなぁ、パンツ」
「いやーっ、なんとなくわかってたけど嫌ーっ!実家帰るぅー!!」

バタバタバタッ



「・・・(つーか、マジで気付いてないの?アイツ)」











帰宅。
真っ先に自分の部屋へ向かい、情けないがパンツチェック。
・・・ない。


「妙ー・・・。パンツがないよー・・・」
「あら、帰ってたの。のパンツなら私が使ってるけど?」
「は!?なんで使うんだよ!ありえないだろ!」
「仕方ないじゃない。私のパンツ、盗まれちゃったんだから」
「はぁ〜、妙も〜?」
「え、も?」
「うん・・・」


でも、だからって人のパンツ使うなァァァ!!
アレかね、普通に干してんのがいけなかったのかね。いや、私の場合は部屋干しだが。











でだ、


「なーんで近藤さんまでいるんスか」
「決まってるだろう!お妙さんの・・・とちゃんのパンツを死守するために!」


何?私、ついでですか?
お妙さん『の』って言っちゃったからね、『の』って。
いいですよ、別に。愛する人は一人で結構です。

近藤さんと銀さんが地道に地雷を埋めていたので、私も手伝う。
コレって・・・近藤さんが用意したんだよね?あったっけ、こんなの(つーか、百紅羅って何)
コレで上手く捕らえたらいいんだけどね。
あ、捕まえるだけじゃ終わんないから。生き地獄を暫しの間味わってもらうから。











夜。


プ〜ン、
バチンッ!

「・・・ちょっと、全然泥棒来る様子ないんですけど」


おっかし〜な〜、あんなあからさまにパンツ干してるってのに。
つか、此処植物多いから蚊も多いのよね(かいー)


「私の体験談だけど、泥棒っていうのはね、障害が困難であるほど燃える人が多かったよ」
「世の中の泥棒が皆そうだと言うんですか。気の小さい泥棒だったらどーするんです」
「オイ、デケー声出すんじゃねーよ。泥棒にバレたら全部パーだぞ」
「パーなのはオメー等だよ。このクソ暑いのによ」
「なんだとこの野郎、コンタクトにしてやろーか!」
「あーもうやめてやめて!」


確かに暑い。暑いからイライラすんのはわかる。
けどねぇ、コッチも色んな意味でイライラしてんだよォォォ!


「暑いから皆イライラしてんだな。よし、ちょっと休憩。なんか冷たいものでも買ってこよう」
「あずきアイス!」
「なんかパフェ的なもの」
「ハーゲンダッツ!」
「ハーゲンダッツ(チョコ味)!」
「僕、お茶」
「ハイハイ。じゃ、買ってくるから大人しくしてなさいよ」


ハーゲンハーゲン♪


「ったく、しょーがない奴等(ピッ)」

ドォン!!


びっくり!
なんだ、何があった。


カラン、

「・・・あら、近藤さんが爆発したわ」
「あー、暑かったアルヨ」
「そーね、爆発しそうなほど暑いもんね」
「んな訳ねーだろ。自分で仕掛けた地雷踏んだんだよ、バカだね〜」
「・・・アレ?ちょっと待って。ひょっとして、地雷何処に仕掛けたか皆覚えてないの?」


間。


「・・・大変。新聞配達のおじさんも爆発するわ」
「言ってる場合ですかァァ!僕等、こっから身動き取れなくなっちゃったんですよ!もう泥棒とか言ってる場合じゃねーよ!」

「アハハハハハ!滑稽だ!滑稽だよ、お前等!」
「あ・・・アイツは!?」


えええ!最悪なタイミングで出て来たァァァ!!
ま、まさか、この時をずっと待ってたんじゃ・・・!


「そこで指を咥えて見ているがいい。己のパンツが変態の手に渡るその瞬間を」


コレじゃ捕まえる事すら・・・。


「アッハッハッハッハッハッ!」

トッ、
ドォンッ!!



「・・・床の下にも地雷をセットしてたんですね」
「そーみたいだな」


ちょっとちょっとォ、壊れた部分の修理代、誰が払うの?
あ、地雷を仕掛けた近藤さんでいいや。


ガッ!


舞い降りるパンツを掴んだのはまさしく変態(生きてたんだ)(チッ)




「クク、さらば・・・」

ガッ

「待てェい」


あ、近藤さん(奴も生きていた)


「汚ねェ手でお妙さんのパンツ触るんじゃねェ!俺だって触った事ねーんだぞチクショー!」


触ったら触ったでけーべつしますよ。
近藤さんってさ・・・わかんない時あるんだよね。
そりゃ、本人は純粋一途のつもりだけど、行動がアレじゃ、本当に愛してるのかなって。
熱すぎてわからない。
本人はそんな複雑な考え、ないだろうけど。バカだから。




「うらぁぁぁぁ!!」

ピッ

「ん」

ドォン!!


・・・バカじゃね。つーか、バカじゃね。
ダメだ。コイツ等ダメだよォォォ!マダオだよォォォ!!
もー、男共には任せない。


「フハハハハ!やっぱり最後に笑うのは俺・・・」

タンッ、トンッ

「女を」
「嘗めるんじゃねェェェェ!!」









ぎゃああぁぁぁぁぁぁぁ・・・









「素顔も晒さない奴が義賊気取ってんじゃないよ」
「欲しけりゃ、素っ裸で正面から挑んできなさい。心までノーパンになってね」


よし、コイツは現行犯逮捕で。






――――つー事がありましてぇ、変態犯捕まえたんで、帰り遅くなりますぅ」
『や、それはいいんだけど・・・なんだ?そっちからドンドン音が・・・花火か?』
「あ〜、気にせんで下さい。ちょっと地雷が爆発してるだけなんで☆」
『お前、なんつーもん使ってんだ。たかが下着泥棒だけで』
「私じゃないです〜、近藤さんです〜。つーか、たかがってなんだコラ」
『あ?近藤さん、そっちにいんのか?見かけねーと思ったら』
「正式には病院です〜。自分で仕掛けた地雷の位置がわかんなくなって、踏んじゃったから〜」
『ったく、あの人は・・・』


門限が9時(副長命令)なんで、遅くなりそうだから土方さんにお電話。
あの人は門限がどーのこーのってより、私の家が爆発している事の疑問の方が大きいようだ。
あ、近藤さんと銀さんは病院送り〜。あの人達より、子供達が大丈夫かしら。











「たでーまー」


やっとのこさで帰宅(現時刻10時)
うちんとこ(真選組)とは全然管轄外なんで、同心に届けたら、ついでに最近の真選組の行動を注意された。
いや、ホントすみませんですよ。局長はストーカーだし、副長は物騒な暴言降り回るし、一番隊隊長なんて建築物半壊。
なんかー、個性が多くてー、退みたいな一般ピーポー(people)の影も薄くなりますよー、アハハ。
アハハハハハ・・・、はぁ・・・。


ドカン

「ん。・・・え゛え゛え゛え゛え゛!?」

ドォン!!



「・・・チッ、避けやがったか」
「テメェェェ!!なんで私狙うの!私、土方さんじゃないよ!?」
「よっ、元気?」
「何その挨拶!元気だよ!見かけは元気だけども、心臓も異常に元気だよ!バクバク言ってるもん!」


ドカンと小さな音が聞こえたので振り返ったらバズーカ砲が飛んできてた。
バズーカを建物内で発砲するのは只一人(沖田コノヤロォォォ!!)(土方さんの気持ちがちょっとだけわかったよ!)
咄嗟の事で避けたってのに奴め、舌打ちしてきやがったよ。
しかも、元気って・・・。ホント、なんの挨拶だよ。『おかえり』じゃねーの?


「フンドシ仮面・・・アレ、パンツ仮面?は捕まったかィ?」
「フンドシ仮面だっつの。捕まった捕まった。あー、清々」
「・・・
「なに?」
「土方さんの部屋にあったパンツ、あれ実はの」
「は?」


いや、今なんて言ったコイツ。
・・・・・。
なんて言ったよコイツゥゥゥ!?


「因みに他の連中がもらったってパンツ、のだから。近藤さん含む」
「んだとテメェェェェ!!表出ろコラァ!!」
「やー、江戸中の娘が被害に遭ってるってのに、だけ遭ってないのって不公平じゃん?」
「公平不公平の問題じゃないよ!お前、現行犯で逮捕したろうかァ!?」
「ところでお前、なんでブラジャー持ってないんでェ。あ、サイズがないのか」
「ぬぐっ・・・」
「あ、図星」
「ち、違うもん!着け方がわかんないんだもん!」
「素直にサイズが無いと言えばいいものの・・・」
「煩いバカーッ!もうセクハラで逮捕してやるー!」


フンドシ仮面なんぞよりよっぽど性質悪いのが此処に一人。
因みに盗まれたパンツは奴から金巻き上げて買いました。











  





流石に引きましたか・・・?(見捨てないで!)
(2008.7.6)