「おじちゃ〜ん。おじちゃんはどーして花見なのに一人なの〜?」
「んー?妻が出て行っちゃったからだよ〜」
「なんで奥さん出て行っちゃったの〜?」
「仕事クビになっちゃったからだよ〜」
「どーしてクビになっちゃったの〜?」
「(アレ、デジャヴ)ん〜、それはね〜、自分の心を貫き通しただけだよ〜」
「その言葉使うとカッコいいだなんて思ってんじゃねーだろうな、妻に逃げられた癖に」
「・・・・・」
「じゃーな、まるでダメなおっさん。略してマダオ〜」

「・・・最近の娘って皆あぁなのだろうか・・・」





第五訓:花見とは名ばかりの宴会





公園でワンカップ片手に花見をしているマダオを苛めてスッキリした私は皆が待っている花見場へ向かう。
お弁当作ってたら時間かかっちゃったのよね〜。毎年の事だけど。
はぁー、仕事が休みってどんなにいい響きなのかしら☆





公園に入って奴等を探す。


「・・・お、いたいた。・・・ん?」


早速発見し、そっちに向かう(退がミントンしている)
だが、目に入ったのは・・・、


「どれ、俺が食べてやるからこのタッパーに入れておきなさい」


近藤さんがいつの間にかあちらさんの空気に馴染んでいるではないか。
少しの間の後、妙が近藤さんをしばき回し始めた。
どーでもいいけど、微妙な空気だな、また(アレ以来仲悪いなぁ、この二人)
土方さんは皆に同意を求めているが、


「別に俺達ゃ、酒飲めりゃ何処でもいいッスわ〜」
「アスファルトの上だろーと、何処だろーと構いませんぜ。酒の為ならアスファルトに咲く花のよーになれますぜ!」


なってみろよ、お前。サド花って名付けてやるから。


「うるせェェ!!ホントは俺もどーでもいーんだが、コイツのために場所変更しなきゃならねーのが気に食わねー!」
「アハハ、気持ちいい〜」


うわ、何気に腹立つな、コイツ。
大体、土方さんもなんだよ、その理由。ガキじゃないんだから。ライバル同士の小学生じゃないんだから、見た目は。


「大体、山崎場所取りに行かせた筈だろ。何処行ったアイツ?」
「ミントンやってますぜ、ミントン」
「フン、フンッ!」
「山崎ィィィ!!(バキッ、ガッ!ゴッ!)」
「ギャァァァァァ!!」


頼まれた事やってから私とミントンしよーよ、退。
一通り退を殴った土方さんはコッチに戻った(退ボロボロ)
ふと、銀さん達の方に視線をやる(ん?)


「妙。なんじゃこりゃ」
「卵焼きよ」
「いやいや、卵焼きじゃないよ、一種のアートだよ。もしくは焼けた卵▲
「卵が焼けてりゃ、それがどんな状態だろーと卵焼きよ」
「オイ、まさか新ちゃんにコレ食べさせたんじゃないだろな?食べさせてないだろォなァ!?」
「食べました」


新ちゃんがメガネかけた理由がわかった。
てか、ちゃんいたんだってのが聞こえたんだけど(え、泣いていい?)















で、


「なんでこーなったの」
「知らない」


総悟の提案で叩いて被ってジャンケンポン大会が始まった。
たかが花見の席でなんでこんな・・・。意地の張り合いというかなんというか。


「いけェェ!局長ォ!!」
「死ねェ!副長!」
「誰だ今死ねっつったの!切腹だコラァ!」
「死ねェ、土方ァ」
「お前もか!」


当然の事。
退がうんたらなんたら説明している(言ったって守らないと思うんだけど・・・)


「勝った方は此処で花見をする権利+お妙さんを得る訳です」
「何その勝手なルール!アンタ等山賊!?それじゃ僕等勝ってもプラマイゼロでしょーが!!」
「じゃぁ君等は+真選組ソーセージだ。屯所の冷蔵庫に入ってた」
「あ、弁当に使った奴の余りだ」
「要するに只のソーセージじゃねーか!いるかァァァ!!」


魚肉60%+なんかの肉40%。・・・なんかの肉ってなんだろう。
兎に角、そのソーセージと妙を巡っての対戦が始まった。





第一回戦、近藤さんVS妙。
・・・ヤバクね?なんつーか、ヤバクね?何がって、近藤さんが。
コレが新ちゃんだったらうーん、微妙!だったかもしれないけど、相手妙よ、妙。
その妙は殺る気の瞳(め)してるし・・・。
・・・代わってあげた方が良かったのかしら。


「ハイ、叩いて被ってジャンケンポン!」


勝、妙。負、近藤さん。


「おーっと!セーフゥゥ!!」
「全然セーフじゃない!」
「逃げろ近藤さん!」
「え?」





「天魔外道皆物性四魔三障成道来魔界仏界同如理一相平等・・・」
「ちょっ・・・、お妙さん?コレ・・・もうヘルメット被ってるから・・・ちょっと?ちょ、ちょっと・・・助けて!ちゃん助け」
ドゴッ!!


・・・・・。
・・・ルール、完全無視しちゃったよ。


「局長ォォォォォォ!!」
「テメェ!何しやがんだクソ女ァァ!!」
「あ゛〜?やんのかコラ」
『すんませんでした!!』



「新八君、ちゃん・・・。君達も大変だね」
「もう慣れましたよ。あんな感じの姉が二人もいるんですから」
「そっか・・・」
「オイ、さり気無く私入れた?入れたよね?入れたなコラ」


しかも納得しちゃったよね、コッチの方は。


「えーと、局長が戦闘不能になったので一戦目は無効試合とさせていただきます。二戦目の人は最低限のルールは守って・・・!」


あ、もう始まってる。
ふむ、神楽ちゃんって言ったっけ?あの娘(こ)、中々やるね〜。
というか・・・、


「早過ぎて審判出来ない」
「同感」



「奴はなァ、絶滅寸前の夜兎なんだぜ〜。凄いんだぜ〜」
「なんだと。うちの総悟なんかなァ・・・」
「オイッ、ダサいからやめて!俺の父ちゃんパイロットって言ってる子供並にダサいよ!」
「っていうかアンタ等何!?飲んでんの!?つーか、それ私の酒ェェェ!!」
「あん?勝負はもう始まってんだよ(ゲフッ)」
「こんぐらいの酒で一々青筋立てんじゃねーよ。皺増えんぞ」
「私ゃまだ年頃の娘じゃァァァァ!!(こんぐらい!?)」


勝手に飲み比べ始めちゃってるよ・・・(しかも次は私が密かに楽しみにしてたテキーラだし!)
まぁいい、今度奢ってもらえば。
それより、あちらの様子は・・・、おぉ!なんか苛烈になってるよ!
・・・って、アレ?ちょっと待て。二人とも明らかにメット被ったままな上、ハンマーないし!何よりジャンケンしてねェ!


「只の殴り合いじゃねーか!」
「だからルール守れって言ってんだろーがァァ!!」


いつの間にハンマーがメットになったんだ(メット1個しかなかった筈だぞ)
あ、押し倒しちゃった。もうこりゃダメだな。
新ちゃんも同じ事を思ったのか、最後の勝負にしようとしている。
・・・が、


「「オ゛エ゛ェ゛ェ゛!!」」
「オイィィィ!!何やってんだ!このままじゃ勝負付かねーよ!」
「心配してんじゃねーよ、俺ァまだまだやれる。シロクロはっきり付けようじゃねーか」


心配してる訳ではないが、やれないでしょ。
土方さんはお酒に弱いってのは知っていたけど、まさか銀さんまで弱いとは。
・・・ん?


「アレ、刀が無い・・・?」
「真剣で斬ってかわしてジャンケンポン≠ノしねーか?」
「上等だコラ」
「オイィィ!!ちっとも上等じゃねーよ!銀さん!それ私の真剣んん!!」
「お前、さっき俺にから『上等だ』しか言ってねーぞ。俺が言うのもなんだけど大丈夫か!?」
「上等だコラ」


ダメだコレ、聞いてないよ(どうにでもなれ)


「「斬ってかわしてジャンケン、ポン!」」



「とったァァァァ!!(ザンッ!!)」


!!


ズゥン!

「心配すんな、峰打ちだ。まぁ、コレに懲りたらもう絡むのはやめるこったな」
「テメェ!さっきからグーしか出してねーじゃねーか!嘗めてんのか!!」


・・・思いっきり刃の方でやっちゃってんだけど。峰じゃ無いんだけど・・・。
ていうか、土方さん。それ、人間じゃなくて犬・・・。やたらとデカイ犬だから・・・。


「お互い妙な上司がいて大変ですね」
「まぁ、今日は飲もうよ。愚痴を肴にして」




今は亡き父上へ。
やっぱり、花見は大勢でやるもんです。
今日、久方ぶりに家族と花見をしました。私の仲間達と一緒に(一部除く)(未だ倒れてるし、戦ってる)








「アレ?此処、何処?」











  





やっと書き上げた・・・。
(2007.3.8)