「トシ」

ガチャ、
ドガンッ!!





第四訓:カエルピョコピョコミピョコピョコ





「えー、皆もう知ってると思うが、先日、宇宙海賊春雨≠フ一派と思われる船が沈没した。しかも聞いて驚けコノヤロー。なんと奴等を壊滅させたのはたった二人の侍らしい・・・」
『え゛え゛え゛え゛え゛!!マジスかァ!?』
「白々しい。もっとナチュラルに出来ねーのか」
「トシ、もういい。話が進まん」


もういいって・・・お前が指示したんじゃねーか。
私も黒焦げになって髪ぐちゃぐちゃだけど、いつもサラサラストレートヘアーの総悟の髪を直してあげてる。
そしたら、皆コッチに来て、私の髪を直してくれている(のかな?なんか余計ぐちゃぐちゃになってる気が)
まぁ、そんな訳でまた話を聞いていなかった所為か、はたまたそれが目障りなのか、またバズーカが火を噴いた。
今度は別の意味で聞けないと思うんだけど、バカだなぁ(人の事言えないけど☆)

ふーむ、それにしても桂かァ。こないだ捕まえ損ねてしまったよね。
コレじゃ、どっちを捕まえりゃいいんだかわかんないね。矛盾した世の中だよ。











「こんの野郎は・・・寝てる時まで人をおちょくったような顔しやがって」


本当、何処でも寝るよね、この人。
何気にこのアイマスク気に入っちゃってるし(目の落書きは私がイタズラで描いた)


「オイ、起きろコラ。仕事中に惰眠貪るたァ、どーゆー了見だ」
「なんだよ母ちゃん、今日は日曜だぜィ。ったく、おっちょこちょいなんだから〜」
「今日は火曜だ!」


総悟の両親って、結構興味ある。けど、なんか恐い。
土方さんは惰眠を貪っていた総悟のスカーフを掴んで強制的に立たす。


「テメー、こうしてる間にテロリストが乗り込んできたらどーすんだ?仕事嘗めんなよコラ」
「俺がいつ仕事嘗めたってんです?俺が嘗めてんのは土方さんとだけでさァ!」
「「よーし!!勝負だ!剣を抜けェェェェ!!」」

ガンッ、ガン!

「「い゛っ!」」


あ、近藤さん(私は殴られなかった♪)


「仕事中に何遊んでんだァァァ!!お前等は何か!?修学旅行気分か!?枕投げかコノヤロー!」

ガンッ!

「い゛っ!」
「お前が一番煩いわァァァ!!只でさえ気が立っているというのに!」
「あ、スンマセン」


ゲッ、カエルが出た。アマントガエル(上手い!・・・のか?)
てか、麻薬の密売に関係してるかもっていう可能性が一番高い奴だよ、コイツ。


「全く役立たずの猿めが!」


ガマは立ち去った(役立たずぅ?上等だコラ)


「なんだィありゃ。コッチは命がけで身辺警護してやってるってのに」
「お前は寝てただろ」






海賊とつるんで麻薬の密売してたかもしれん奴を護るっつーのは、私も総悟と同じで気が乗らない。
幕府を護るためっつっても、その幕府が悪事犯したらダメじゃん。それこそ取り締めないと。
なんて事、部下の私が言っててもしょうがないんだけど。
近藤さんが護るって言っている以上、少なくとも私は相手がどんな奴だろうと護る。


「皆やる気なくしちまって。山崎なんかミントンやってますぜ、ミントン」
「フンッ、フン!」
「山崎ィィィ!てめっ、何やってんだコノヤロォォ!!」
「ギャァァァァァ!!」


・・・私だけなんだろうか、本当に。
でも、後でミントンやってもらお。


「目の前で命狙われてる奴がいたら、いい奴だろーが悪い奴だろーが手を差し伸べる。それが人間のあるべき姿ってもんだよ」


確かにそうだけどねェ。
しっかし、この人は本当に、


「あ゛っ!!ちょっと!勝手に出歩かんでください!ちょっとォォ!!」
「はぁ〜。底なしのお人好しだ、あの人ァ」
「今に始まった事じゃないじゃん」
「それもそうか」


あっさりと、私に手を差し伸ばしたのも近藤さん。
その前に差し伸ばした人もいるけど、迷い無く私を真選組(ここ)に置いてくれた。
それがあまりにも躊躇の無い事だったので、私は少し警戒していた。
でも、近藤さんは本当にお人好しだ。演技とかじゃなく、同情とかじゃなく。









ドォオォォォオンッ!!



『局長ォォォ!!』


近藤さんが撃たれた!?いや、ガマが狙われたのを近藤さんが庇ったのか。
退は土方さんの指示ですぐにホシを調べに行った。
皆が近藤さんの傍に駆け寄る。


「フン、猿でも盾代わりにはなったようだな」


な、に・・・!
私は感情の勢いで抜刀しそうになったが、それよりも早く総悟が抜きそうにしたのを土方さんが止めた。


「瞳孔開いてんぞ、お前等」


開いて当然だと思いますよ。
だって、命張って護ったってのに、あぁ言われちゃ(あぁ、ガキだな)











パチパチ

「何してんのォォォォォ!!お前等!」
「大丈夫大丈夫、死んでませんぜ」
「要は護ればいいんでしょ?コレで敵誘き寄せて一掃。攻めの護りです」
「貴様等ァ!こんなことしてタダで済むと、もぺ!!」


ガマを十字架に掲げ、その下で焚き火する。
アレだよ、火炙りの刑☆
ガマがなんか口論したので、その口を薪で塞ぐ。
総悟が長々と話してる中、私はガマの口いっぱいに薪で埋める。


「あの人は人が好過ぎて他人の良いところを見つけるのは得意ですが、悪いところは目を背いてしまいます」
「そうそう、俺やや土方さんみてーに性悪がいて、それで丁度いいんですよ、真選組は」
「・・・フン。あー、なんだか今夜は冷え込むな・・・。薪をもっと焚け、総悟、
「「はいよっ!!(ポイポイポイポーイ)」」
「むごォォォォォ!!」


ガマが必死になって叫んでいるが、薪で口塞がれている為、只のくぐもった声に。
その必死になっているガマに銃弾が掠った。


「おいでなすった」
「派手に行くとしよーや」
「でも、なるだけ手短に。銀八・・・間違った、金八先生の再放送予約するの忘れたんで」

「全く、喧嘩っ早い奴等よ」


あら近藤さん、お元気?


「トシと総悟とちゃんに遅れを取るな!バカガエルを護れェェェェ!!」






剣を収めるこの魂、人に何を言われようが、護るもんを護ってから尽きます。











  





やっと3巻か・・・。
(2007.2.15)