「決闘を申し込むほどいい女性(ひと)だったんですか?」
「あぁ。でも、心成しかちゃんにそっくりなんだよなー(じろじろ)」
「ちょ、じろじろ見ないで下さい、キモい」
「キモ・・・ッ!?」
第三訓:灯台下暗しって・・・そんなん誰かが仕組んだ事だろ?
「てか、私とそっくりってなんですか?」
「いやいや、本当そっくり。瓜二つと言ってもいいかも」
「まぁ人間、同じ顔の一つや二つあるでしょう」
「そんなもんかねェ・・・。・・・アレ、近藤さんは?」
二人して同じ方向を指差した。
見れば、近藤さんが『お妙さァァァァん!!奇遇ですねェェェ!』と叫びながら走っていた(数秒前まで話してたのに)
・・・お妙さん?
「・・・アレ、なんかボコられてません?」
「お前もそう見えるか」
「いやぁ、奇遇ですねィ。実は俺もでさァ」
軽いボケはそこまでにして私達は近藤さんの元へ行った。
が、そこには顔面変わり果てた近藤さんの姿が。
私達は近藤さんを此処まで殴った女の人を興味半分で見た。
「「あ」」
「お、本当に同じ顔だねィ、瓜二つ」
「・・・すいません、腹下したようなので屯所帰りま、」
「あらぁ、随分と見覚えのある顔だ事。・・・今の今まで何処ほっつき歩いとったんだ!!」
「ぅおっと!」
間一髪で飛び蹴りを避けた。
3人は訳がわからんと言った表情でコッチを見ている。
すると、もう一人コッチに向かって来た。
「姉上〜、卵買ってきました・・・って、アレェ?」
「あら新ちゃん、御苦労様」
「・・・アレ、よく見覚えのある顔が・・・。・・・アンタ今まで何処にいたんですかァァァ!!」
「ギャァァ!落ち着いて2人とも!ちょ、暴力はやめて!いでででッ、痛いってば!!いてェっつってんだろーがァァ!」
ガスッ、バキ!ドゴォ!!
「ちょいとちょいと、お三方。やめなせェ」
総悟が私達の争いを止めた。
「なんなんだ、お前等。顔見知りにしても激し過ぎるぞ。どんな再会の仕方だ」
「ていうか何?ちゃん、お妙さんと知り合い?」
「・・・知り合いじゃなくて、」
「「僕(私)達は姉弟です、血の繋がった」」
3人は絶句してしまった。
暫くして、各々面白いリアクションを取っている(特に近藤さんが面白い)
「え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!?ちょ、じゃぁ何!?お妙さんはちゃんのお姉さん!?」
「じゃなくて双子です。まぁ、姉に変わりはありませんが」
「ウソォォォォ!!」
近藤さんは頭を抱えて不思議な舞を踊った(舞なのかな?)
土方さんは平素を装っているが、ライターで前髪燃やしてる(そのまま燃えて死ね、土方)
総悟は『近藤さんを此処まで陥れた女の双子の妹が』などと良くわかんない事を言っている(陥れたの?)
「じゃ僕、頭痛がするんで屯所に帰りま、」
「「待てィ」」
「う゛」
やっぱり現実は甘くない訳で。
そのまま二人に連行されてしまった。
+
「・・・いや、あの、すいませんでした」
久々に実家に帰って早々、二人からの暴行が(ドメスティックバイオレンス!)
「いやあの、アレだったじゃん。借金まみれだったじゃん」
「だからって、3年も連絡無いってのは頂けないわね」
「いえ、あんな形で家出て行ったから連絡しようにも出来なくて・・・兎に角すいませんでしたァ!」
「すいませんでしたで済むもんならこの世に切腹だなんて言葉、ありません」
そう言って、脇差を抜く新ちゃん(何この子!)(恐いよ!)
因みに隣の部屋にはあの3人が。
「さぁー、洗いざらい話しなさい。今まで何処にいて何をしていたの?」
「・・・真選組という対テロ組織・・・まぁ、武装警察で住み込みで働いてました」
「・・・姉上。借金はなくなりました」
「え、ウソ?」
「本当よ。とある人に助けてもらって、借金帳消しよ」
「そっか。じゃぁもう、借金生活では無くなったんだね。道場も無事みたいだし」
「え、借金帳消しって・・・ちゃんって借金払う為に入ったんだったよな」
「そうだ。借金が無くなった今、まだ真選組(おれたち)のところで働くかはアイツ次第」
「やっぱり家族はいいもんですよ。アレから3年も連絡取ってねェみてェだったし」
隣からこんな声が聞こえる。
「・・・まだ働きますよ。何言ってんですか、アンタ等」
「え、借金無くなったんじゃ・・・」
「借金は確かに無くなったみたいです。でも、生活費は無くなってません」
「そうね。危険な仕事だって聞いた事はあるけど、もこう言ってるし・・・。それに、うちには使えない思春期の子がいるし」
「使えないは余計です。てか、使えないってなんですか!」
「アレ、新ちゃんは働いてないの?」
「働いてますけど・・・給料、一回も貰った事が・・・ぅぐっ」
「何それ、タダ働き?よーし、お姉ちゃんに任せなさい」
そこまで言ったら後ろから何か言った?って言葉と共にずしっと肩というか背中に重みが。
不思議に思って後ろを向くと、わぁ、美味しそうな頭。・・・って、
「キャーッ!!(ぶんっ!)」
あまりにも驚いて、投げてしまった。
だだ、だって、いきなり男の人が私に抱き付いてたんだもん!
その人は盛大な音を立てて、土方さん達がいる部屋とは別の隣の部屋の襖に突っ込んだ(あぁ襖がァ!)(私がやったけど!)
「ってェ・・・。可愛い顔して結構やるね、お嬢さん」
「テメッ、なんでこんなところにっ?」
「そりゃぁコッチの台詞だよ多串君」
「だから多串て誰!」
「また依頼入ったから新八呼びに行ったら、可愛いお嬢さんがいて」
「可愛いってうちッスか?貴方、眼科行く事をお薦めします」
「謙虚なところがまた可愛いねェ。あ、俺、こーゆうもんです」
「はぁ、」
ピッと名刺を差し出されたので、条件反射でそれを受け取ってしまう。
『万事屋 坂田銀時』
あぁ、だから銀さん≠ネのね。
・・・ん?さっき、依頼入ったから新八呼びに来たって言ってたよね?
て事は、新ちゃんは此処で働いてるの?給料も貰えずに?
「・・・うちの弟に給料あげてないって本当ですか?」
「うん、まだそんな余裕が・・・って、弟ォ!?誰が!」
「この場で一人だけしか妥当者がいないと思いますが」
そう言って、新ちゃんの腕を引く。
坂田さんは目を見開いて驚いた(この人のリアクションも土方さん並に面白い)
「新八ィ!お前、こんな可愛い姉ちゃんいるなんて聞いてねーぞ!」
「今までいなかったんですから言ってないも当然でしょーが!」
ちょっとちょっとォ、なんか言い争ってるんじゃないの。
何、アレか?今流行のパワハラ?(全然違う)
コッチはセクハラが耐えねーってのに。いや、ある意味でね。
「坂田さん」
「銀さんでいいって。出来れば名前で」
「そんな事より、新ちゃんに給料あげてください、アホの坂田さん。バカな土方さん」
「何気に俺を混ぜるんじゃねェ(ズドッ)」
いてっ!チョップかましたよこの方!(当たり前)
「それより、お嬢さんの名前教えて欲しいな」
「です、志村」
「ちゃんね」
「・・・そんな事より、うちの弟に給料与えてください。うちがどんだけデンジャラスな世渡りをしてると思ってるんですか」
「いや、俺んとこもデンジャラスなんだよね。元々やばかったのに一気に2人入っちゃったから」
「払うもんは払いましょう」
「そうですよ。払わないのなら切腹ですよ?」
「介錯は私がするんで」
「何この娘!恐い恐い恐いよ〜!お妙の妹キたよ〜!」
この人は頭がイカれてるんでしょーか。いや、こういうの(バカ)には慣れてるから大丈夫だけど。
つか、なんで妹だとわかった?決め付けたのか?
「・・・オイ。もうコレ以上、此処にいる意味ねーだろ」
「なんですか、土方さん。私の家に文句あるとでも言うんですか」
「デンジャラスな生活してた割にはでけー家だねィ」
「煩い、お前黙れ。出来れば息もしないで、心臓止めて」
何やら、あちらの3人にとっては凄く居辛い空気らしい。
まぁ、そうよね。近藤さんの想い人が私の姉で、その近藤さんの敵が天パで、その助手が新ちゃんで、姉は私で。
で、総悟はサドで、私もサドで、この銀髪天パもきっとサドでって、あれ、なんかもうわかんなくなっちゃった。
まぁ、あちらの3人にとってはややこしくて複雑な感じだろう。
「どうりで似てる筈だよなぁ、お妙さんに」
「そこまで似てますか?」
「双子なら似て当然だろィ。まぁ、弟は微妙だったけどな」
「あ、今微妙っつったな?うちの弟微妙っつったな」
「なんだコイツ、ブラコンか?」
「え、可愛くないですか?私の弟、新ちゃん」
そう言ったら、3人声合わせて『地味』
軽く睨みつけました(声合わせて言う事かァ!?変なところで仲良いな!)
確かに地味かもしれないけど、私にとっては可愛いんだよ!
でも、メガネかけてたのは何故?
この日(?)を境に私の日常生活はより一層、ドタバタする生活になりそうです。
私、志村はそう思わずにはいられませんでした。
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志村姉弟設定は変えません。てか、基本的に設定は変えないので。
(2006.1.27)