はいつも通りに凍矢に会うために癌陀羅へ来ていた。
大抵は部屋にいてる凍矢だが、見当たらない。
そこで陣に聞いてみたところ、どうも黄泉の息子の手合わせの相手になってるようだ。
そして、言われた場所へ足を運ぶ。
闘技場と思しき場所には少年が二人・・・否、凍矢と少年がいた。
休憩中だったからか、二人はすぐにに気付いた。
「へぇ、アンタが黄泉の息子?」
「アンタじゃない、修羅だ。なんだ、お前」
「修羅、か。私は。躯の配下にいてる一妖怪だよ」
「そんな奴が何の用だッ」
「あらら、そんなに警戒しなくてもいいよ。修羅に用はないから。そこの目付きが悪い奴に用があったんだ」
「放っとけ」
何気に自分の事を悪く言われ、少し腹立った凍矢。
「お前、強いのか?」
「んー、強さの基準がわからないなぁ。もし幽助だったら、幽助よりかは弱いと思うよ」
「なーんだ。じゃぁ、僕より弱いじゃん。僕、アイツと同じぐらいだよ」
「あれま。手合わせ相手としては不足だったんじゃない?」
「うん」
「さっきから間接的に何言ってるんだ、」
密かに血管を浮かべる凍矢。
「じゃぁ、凍矢より強いのか?」
「戦った事ないからわかんないなぁ。陣となら五分五分ぐらい」
「誰に勝った事あるんだ?」
「そうねぇ、躯んとこにいる奴等だったら飛影以外、全員に勝った事あるよ。あと、鈴木にも勝てるね」
の実力はなかなかのものである。だが、周り(幽助や飛影)が強すぎるため、あまり強そうには見えないってだけで。
百足にいる妖怪でが敵わない者は躯と飛影ぐらいである。
約一名、存在を忘れられつつも談笑すると修羅のもとに幽助がやってきた。
「よぉ、修羅にに凍矢。久しぶりだな、オメー等」
「幽助。どうしたの、こんなとこに」
「ん、ちょっとな」
「・・・螢子ちゃんとケンカしてムシャクシャした気持ちをここで静めようって感じ?」
「おまっ、なんでわかるんだよっ!」
「え、ただの勘なんだけど、合ってたの?」
そう、幽助はの言うとおり、人間界で螢子とケンカしてしまって、ここで陣あたりと手合わせでもしたらスッキリするかなと思い、やってきたのだ。
ケンカと言っても、いつものように痴話ゲンカなのだが。
「なんでそんなケンカすんの?私達は全然しないよね」
「あぁ」
「(凍矢じゃケンカする要素ないだろ・・・)うるせーよ」
「・・・・・」
「?どした、修羅」
「お前、女だったのか?」
「は?」
瞬間、吹き出した幽助。それに反応しての拳が飛ぶ。
「え、なんだと思ってたの、修羅」
「女みたいな男。蔵馬みたいって」
「うん、今ここに蔵馬がいなくて助かったよ、本当。じゃなくて、女だから、私」
「・・・・・」
ぺた
「へ?」
「!」
「お、」
「・・・(むに)」
あろう事か、の胸を触った修羅。
一瞬、の思考が停止したが、ほどなくして今起こった事を理解し、体を震わせた。
修羅は少し揉んだ後、すぐ手を離した。
「ふーん・・・」
「・・・子供のした事、子供のした事、子供の(ぶつぶつぶつ)」
「お、おい、・・・?」
「やるなー、修羅。で、どうだったよ」
「小さい」
「そういうのをな、貧乳って言うんだぜ」
「(ぶちっ)修羅に余計な事吹き込むなぁ!!」
幽助の言葉にキレたは幽助に火炎放射の如く、火を放つ。
寸でのところで避けたつもりが、かすったらしく、服に火が点いた。
「うぁちちちっ!燃えてる燃えてる!」
「魔界の炎は人間界の炎みたいにすぐに消えないよ」
「んっだよ!小さいって言われたぐらいで怒んなよ!実際、貧乳のくせに!」
「・・・炭にしてやろうか貴様ァ!!(ボゥッ!)」
「待て、ッ」
流石にまずいと思ったのか、凍矢がを羽交い絞めにしてやめさせる。
「離して凍矢!あのバカに制裁下すんだから!」
「十分下しただろう。これ以上するのは妖気の無駄使いだ」
「つか凍矢!を止めるのもいいが、この火をなんとかしてくれー!」
十数分後。
激しい攻防の末、関わってなかった修羅以外、全員息があがっている。
あれだけ怒りに狂ってたも、落ち着きを取り戻している。
「どーしてくれんだテメー!俺のリーゼント燃やしやがって!」
「ふん、前よりよくなったんじゃない?」
「んだとゴラァ!!」
前頭部を指差しながら怒鳴る幽助。
自慢のリーゼントが燃えて、薄っすらハゲてしまったのだ。
「てゆーか、修羅。なんであんな事したの」
「幽助が女かどうかわかんない時は、とりあえず胸触ればわかるって言ってたから」
「・・・やっぱりお前かァァァ!!」
「ま、待て待て!ッ!」
「・・・怒るのもアホらしくなってきたし、疲れた・・・」
先程散々暴れた所為か、怒る気がなくなったはへたり込んでしまった。
丁度、修羅との目線の高さが合う。
「いい?修羅。このバカになんて言われようと、女の人の胸触っちゃダメだよ?」
「えー、柔らかかったのに・・・」
「ダメなものはダメ!(ていうかコレ以上、凍矢の前でそんな事言わないでっ)」
顔を真っ赤にしながら説教する。
修羅は不満気にしてはいるものの、わかった、と素直に応じた。
その後、修羅に変な事を吹き込まないようにと、幽助に釘を打つ。
幽助はわかってるのかわかってないのか、はたまたわかってるが従う気ないのか、へいへいと適当な返事をする。
ともあれ、今日も魔界は平和であったのだった。
後日。
「僕、の事が好きだ!」
「へ?」
「!」←その場にいた凍矢
「しゅ、修羅、どうしたの?急に」
「だって、ってよく見たら可愛いし、強いし!」
「か、可愛いかどうかは知らないけど・・・。修羅、あのね」
「僕、大きくなったらと付き合うよ!だから待ってて!じゃぁね!」
言うだけ言って、去っていく修羅。
取り残された二人の間に妙な空気が流れる。
「・・・えーっと、私、どうすればいいの、凍矢」
「俺に聞くな」
「・・・何怒ってんの?」
ライバルがまた増えて、苦悩する凍矢なのでした。
修羅に貧乳を教えるがために幽助にゲスト参加させました(なんちゅー扱い)
なんか、このシリーズは凍矢夢というよりも、凍矢寄りの逆ハーみたいな感じになってるような・・・。
(2010.7.30)
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