(17)
2年生までは普通にしてました。えぇ、もう超凡人として過ごしてましたとも。
なのに、なんで私はこんなところに?





第二話:ある意味、平和なクラス?





「オメー等、また持ち上がりかー?」
「そういう先生こそ、また僕等の担任ですか?」
「質問を質問で返すんじゃありませんー。まぁ、一人新参者がいるけど」


それって私スか?なんか、一斉に視線が集まったんだけど。
本当になんだろう、このクラス。
ざっと目を通したら、見た目普通の子もいれば、さっき見た怪物や中年に猫耳(年増)がいるではないか。


「なんか個性持っとかないと、このクラスやっていけねーぞ、ちゃん」
「名指しですか」
「まぁ、俺の目の前にいるダメガネもキャラ薄いから気にすんな」
「オメーに突っ込みの重要性わからせてやるァァァ!!」


めっちゃ個性あるじゃん、メガネ君。
大体、目立てって言ってんの?この教師。
私は別に目立ちたがりでもなんでもないから別にどうでもいいんだけど。





あら、何処にでもいそうな普通の女の子発見(可愛いというより美人系)


「・・・チッ、あのゴリラまだ生きてやがったのか」


・・・えーと、・・・普通?
・・・・・。
あとまともそうなのは・・・、


「テメッ、総悟!また俺の携帯で自殺サイト巡りかァ!?」
「当然でさァ。しかも顔出し(ホレ)」
「おまっ、なんて事をををを!!」


・・・・・。
あ、あちらでは何やら必死に勉強・・・、


「桂さん。何描いてるんですか?」
「ん?うむ、たった今俺のペット、エリザベスが完成したところだ。見たまえ」
「はぁ・・・」


何あの絵!(見てしまった)
んー、前と横ばっか見てたから今度は後ろ・・・、


「あ、コノヤロー!私のカニ様ウィンナー取ったアルな!」
「ソコニアル物ハ全テ私ノ物ナンダヨ、小娘ガ」
「ぬぉぉぉ!吐け!吐くアルゥ!(バンバンバンッ!)」
「おぼろ゛ろ゛ろ゛ろ゛!!」
「ギィヤァァァァァ!!せんせー!猫耳年層が吐きましたー!」
「処分しろ、どっちも」
「アイアイサー!」


・・・見なかった事にしよう。





何、本当になんなのこのクラス!
毒舌っぽいの聞こえるし、自殺サイトだの言ってるし、変な絵描く奴いるし、後ろではゲロ吐きやがった!
それに明らかに地球外生命体がいるし、中年のオッサンいるし、猫耳年層まで!
こんな連中と1年間一緒!?嫌だ!


「先生、クラス替えしてください」
「いや、普通に無理」
「じゃぁ、不登校になります」
「オイオイオイ」


先生は先生で煙草吸っちゃってるしィィィ!!
いや、この学校の先生は校長筆頭に変な先生ばっかだったけど!
ちょ、なんかこのクラス、ダメな連中を一掃して集めたみたいなクラスじゃねーか!
ん?て事は私もダメと同類!?


「ちょっと貴女」
「ん?」
「貴女、新参者だからって先生に近付くんじゃないわよ。よくわからないから教えて下さい的な感じで始まっちゃうんでしょ!」
「はい?(何言ってんの、この人)」
「先生は皆・・・いえ、私のものなの!私に許可無く話す事は許されないわ!」


ちょちょちょ、いきなりメガネ女にガンつけられたんだけど。
大体、一体どー考えてそーなるんですか。


「オーイ。それ、妄想壁M女だから気にすんな」
「はぁ、」


え、普通にMとか聞こえちゃったけどいいの?
あぁでも、確かに今の先生の言葉で喜んじゃってるよ、この人。


「もうヤダ、こんなクラス・・・」
「同情するよ(ポン)」
「メガネく・・・」
「志村新八って名前あるから」
「ゴメン、新一君」
「ねぇ、貴女もあの人達の仲間スか?」


冗談なのに、新八君。
あぁ、さっき個性的キャラかと思えば、この人達に比べて全然地味キャラだったよ新八君。






「大体ね、先生。私ゃ今まで普通の子達が集まって、普通に過ごしたんですわ。コレじゃ天変地異と同じようなもんです」
「何事もね、チャレンジというのが必要なのよ。だから先生、チャレンジしちゃった☆」
「なんですか、アブノーマルな人達の中にノーマルな人を入れるというチャレンジですか?」
「ピンポーン」
「んだとコルァァァァ!!」
「でも失敗しちゃったみたい。もっと内気な子にすれば良かった」
「何その失敗談!私失敗?私自身、人生を失敗しちゃった感じなんだけど!泣いていいですか!?」
「そうやって泣いて、先生の心を鷲掴みにするつもりね!そうでしょう!?」
「お前は黙っとれェェェィ!」


あーあーあー。ママン、ゴメンだけど私、もう学校に行かないから。留年上等だから。
大体、よく3年まで上がって来れたよな、このクラス。
あ、中年とかはダブり過ぎて今に至ってるのかな?いーやーだー。
でもあのお団子頭の女の子、なんか中学生っぽくね?アレで高3?(うーん)
まぁ、高校(3年)生に見える奴は、新八君とあの美人さんに茶髪君。
ちょっと大人びてるなぁと思ってるのが、さっき変な絵を描いてた人と妄想壁女にさっきから茶髪の子と言い争ってる黒髪の人。
まだいるけど、大体がそんな感じ。猫耳年層と地球外生命体、グラサン親父は論外だ。


「でもねさん。このクラスこんなんだけど、イジメとか無いから」
「・・・先生に言われたって説得力ありません。教師は皆、知らないか知らないフリしてるかだもん」
「あぁ、その点なら僕も保証するよ。僕もこんなんだけど、今までイジメられなかったし。まぁ、ある意味苛められるけどね」


でも、からかい程度だよ、と新八君は付け足した。
ふぅーん、イジメないなんて珍しいもんだぁ。ま、イジメなんてバカらしいもんね。
けど、周り見てるとイジメ以上の事してるんじゃないかなぁ・・・(殴ったり、自殺サイトだったり・・・)
・・・それもからかい程度なのかな?確かに被害者は別に傷付いてる様子とか無いけど。



ギャーギャーギャー!



・・・・・。


「先生。やっぱりクラス替えしてください」









  





イジメ以上だからこそ、笑って流せるのかもしれませんね(いやいやいや)
(2008.7.6)