四月某日。今日は高校の始業式。
桜咲き誇る中庭で新しいクラス分け発表。
で、私のクラスは・・・Z組?(なんじゃそらよ)





第一話:担任が変だからクラスも変





やってきました、Z組。
なんか、A〜F組から随分離れたところにあるんだけど・・・。
そもそもZ組って・・・、そんなクラスあったっけ?
なんて思いつつ、ちょっと遅めに登校してきた私は引き戸をいつも通りに開ける。
と、人影・・・が?


「あ、すみません(ずんっ)」
「!!」


いやいやいや、人じゃないよ人じゃないよ!何コレ、何この緑色の怪物!
うわ、不覚にも泣いてしまいそう、ってか泣いちゃった!


「どうかしましたか?なんで泣いてるんですか?」
「あ、いや・・・ハハハ。ど、どうぞお通りください。だから食べないでください」
「?」


ずんずんと音を立てながら緑色の怪物(学ラン着てるし!)はトイレの方向へと消えていった。
腰が抜けてしまいそうだが、ふんばって再び教室に入ろうと試みる。


「私に勝とうなんて100億光年早いネ!(ヌンチャカビュンビュン)」
「その台詞ケツバットおまけにして返してやらァ!」


何コレ、ドメスティックバイオレンス?あ、違った、バトルロワイヤル?
てか、100億光年って・・・光年は距離なんだけど。
しかも何、なんでヌンチャカなんてあんの?ちょ、危ない娘?


「・・・クラス間違えました」
「え!?」


近くにいたメガネ君にそう伝えてドアを閉めた。
コレはアレだ、異空間に彷徨ってきたんだ、うんそうだよ。
だってさ、普通に考えて緑色の怪物なんて動物じゃなければ宇宙人だよ。
それに、朝っぱらから、しかも教室でバトルロワイヤルなんて起こらない起こらない。
・・・もっかいクラス分けんとこ戻ろう。まだ貼ってあるかは不明だけど(さっきチャイム鳴ったから)


「こーら、そこ、何してる?」
「!」


随分と間抜けた声で呼ばれた。
振り返ると白髪・・・老人?いや、結構若い白衣着た先生らしき人が。


「もうチャイムなったぞ。いつまでも友達のクラスでエンジョイするんじゃありません」
「あ、すいません。ちょっと違いますけど、クラスがわかんなくなっちゃって」
「あ?テメーの事ぐれー、テメーで考えろや。先生使うんじゃありませーん」
「いや、まだ聞いてもいませんよ(なんだこの人)」
「で?クラスわかんないくせになんでうちのクラスの前に突っ立ってるの」
「あ、最初此処が自分のクラスだと思ったんですが、どうも間違えたみたいで・・・」
「あらあら恥ずかしいね〜、名前なんていうの〜」


なんか肝に触るな、この人(殴りたい)


「・・・
「あー、はいはい、さんね」


そう言いながら出席簿を開ける変な教師。
大体、その年から白髪って・・・アンタ大丈夫なのか。それに、なんで白い頭で白い白衣なんだよ。統一しなくていいよ。
てか、煙草に火ィ付けちゃったし。ホントになんなの。


「あー、あった。お前Z組」
「は?」
「よろしくな、新参者」
「え、あ、は?」


え、マジでこのクラス?


ガラッ


「ようこそ、さん。我が2年・・・じゃねーや、3年Z組に」

「ほぁたぁぁぁぁぁぁ!!」
「どりゃぁぁぁぁ!!」
「お妙さァァあべしィィィィ!!」
「近寄んじゃねーゴリラ」
「なんかいいバイトないかな・・・」


・・・い、


「嫌だァァァァァァァ!!」









 





3Z再スタート。
(2007.11.11)