おしまいにしようよ。戦も恋も―――







8 もう、おしまい、だから





・・・大きな戦になる。

コレでカタがつくのか、と問われば、それは愚問だ。

だって、肝心の幕府は既に天人と不平等な条約を結んでいるんだから。

あとは天人が私達から刀を奪ったら、この戦い、攘夷戦争が長い時を経て、幕を閉じる。

そう、この戦いは天人にとったら、暇潰しのようなもの。

命がけの、暇潰し。















悲鳴が上がる。

断末魔の叫び声が上がる。

うめき声が聞こえる。

血飛沫が上がる。



無意味に無駄なものが出てくる。

無意味に大事な命が落ちていく。人間も、天人も。

私もそろそろ、終 わ  る   。

だって、囲まれてるんだもん。







あぁ、あの気持ち、嘘じゃなかったのに。とうとう、最後まで言えなかったなァ。

戦争が終わったら、言うつもりだったのに。昨日、あんな事言われたけど。

もう、戦争も終わりそうなのに。バカだなァ、私。

戦争が終わったら、辰馬は宇宙に行くのかな、言ってた通りに。

コタや晋助はどうするんだろ。戦争が終わっても刀を手に取ってるかな。

銀は何するんだろ。ホント、わかんない。死ぬまで糖分摂取とかかな?

こうして、皆いなくなるんだ。それほどまでに私達は大人になっていた。

いや、まだケツの青いガキだろうけど、自分で行動出来るようにまではなっている。



「・・・好き、なのにな」



どうして、言えなかったんだろ、私の意気地なし。

好き≠チて、たった二文字じゃないか。一種の言葉じゃん。なんで、言えない?

そう自分に問いかけても、返ってくる言葉は同じ、『怖いから』。

だって、昨日の今日でどうやって言えと?無理だよ。相手は私の事、ちっとも見てくれてないんだから。

ダメだね、私。今、此処でも色んな事を諦めてる。恋も、命も。

天人が私に攻撃したところ、声が聞こえた。あぁ、アレは銀の声だ。