そう、こんな事をしても無駄なの。
けど、哀しい事に私達は繰り返してしまう。
3 全て知っていたのに?
「もぉー、茨木さん。またキャバクラに行ってきたんですか?」
全く、困った事に私の仲間はキャバクラやら何やらによく行く。
何が楽しくてそんなところに行くのかな?何か、銀も行きたがってるし。
本当に攘夷なんだか(天人の力があってこそ、キャバクラというものが存在してる)(多分)
「そーだぞ、茨木」
あ、珍しく銀が反論を・・・
「一人で行くなんてずりーよ。今度、俺も連れていけ」
アンタを見直した私がバカだったァァァ!!
ケッ。男なんて所詮、こんなもんよ。
さーて、明日の戦の準備でもすっか。明日の銀の朝御飯、無し。
+
「・・・。俺の朝飯は?」
「ほい」
トン
銀の手に銀の今日の朝飯を置く。
案の定、奴は顔を顰めた。
「・・・あの、さん。コレって砂糖?」
「んな訳ないじゃない。塩よ」
「てんめェェェ!!俺が甘党なのを知っててコレかァ!?てか、仮に砂糖だとしても、朝飯じゃねーよ!」
突っ込む順番が違うってか、突っ込むところが違ったね、最初の。
今時、砂糖と塩を間違える奴なんていないよー、銀時。
「『腹が減っては戦は出来ぬ』という言葉、あんだろ。今まさにそれだよ。戦出来ねーよ、の所為で」
「あー、うだうだ煩いねー。だったら、何がいいってのよ」
「チョコパフェ」
「ほざけ」
とりあえず、握り飯を作ってやった(勿論、塩は多めってか、多過ぎめで)
今日もまた戦争が始まる。この江戸で。
私が唯一、嫌う時間だ。他の時間は好きなのに。
松陽先生。貴方に教えてもらった剣の使い方、間違ってますか?
けど、先生。貴方に教えてもらった事を今使わないといけないような気がするんです、何故か。
・・・でも、本当は知っている。こんな事をしても無駄だって事。
だって・・・だって、相手は技術が進んでいる天人よ?生まれた地も違えば、育った地も違う。
何にも無いところで育った私達が敵う筈、ないんだよ。
現に死んでいった仲間が語っている。『無念』と。
私は人間じゃない奴等の血を浴びながら、そんな事を思っている。
ぬちゃ、と嫌な感触を味わいながら、時に変な汗を流しながら。
愚かな質問だけど、何で皆は戦ってるの?
・・・そんなのわかってる、わかってるよ。わかってるんだけど、上手く言葉に言い表せない。
ホントは・・・本当は全て知っているのに。