大丈夫、まだ、やれる。







2 手を汚すのは自分だけでよかった





「随分と、やられたもんだな」



コタに手当てをしてもらっている。

うん、今日も派手にやられた。体中がボロボロ(女なのになぁ)

皆、薄々感付いている。『もう、無駄だ』と。

辰馬なんて、宙に船を泳がせるとか抜かしてたし。

コタと晋助は最後まで諦めず、戦いを続けている。

銀は、



「お、。今日も派手にやられたな」



・・・銀、は何を思っているのか、さっぱりわからない。

でも、己の武士道だけは貫いているようだ。

白夜叉、坂田銀時。私でも恐ろしく感じてしまう男。

けど、性格は只のエロ天パ。ていうか、何を思ってるのか・・・掴めない奴。



「うっさい、天パ。お前もやられてんじゃん」

「テメッ、そのニックネームで呼ぶのはやめろって言っただろ。なぁ、ヅラよ」

「貴様も人の嫌がるニックネームで呼んでいるではないか。な、チビっ子」

「いや、オメーも呼んでるよ。な、毛玉頭」

「それ、わしの事じゃき?アッハッハ。泣くよ?なぁ、万年発情期」

「俺の事か?テメー等、一つのグループにまとめて『馬鹿』な」



火花が飛び散る。

誰だ、こんなくだらない喧嘩に火を点けたのは、って、私か!でも、のってくる銀とコタも害があるよ。



「てか、辰馬!頭、うっとうしい!刈っていい!?」

「アッハッハッ。ぶっとばすぞ、クソアマ」











楽しい。

戦争の事なんて、思わず忘れてしまう。

コイツ等は戦をしてない時、ふざけあって、時にイラッって来るけど、楽しい。

いつまで、こうして過ごせるのかなと言う思考は無し。今を楽しみ、今を苦しむ事にした。

でも、コレだけは最近、思ってる。

手を汚すのは自分だけでいい。

だって、コタなんて治療とか出来るんだよ。それに、銀は皆と比べ物にならないくらい強いし。

辰馬も将来、何をするのか決めてるし、晋助も御飯とか作れるし。

だから、皆の手は綺麗なままでいい。汚すのは私だけで十分。

・・・と思いたいけど、私の手じゃ、あまりにも小さすぎて、血が流れ落ちてしまう。

今、私の頭を撫でてくれてる銀の手ぐらい、大きくないとダメだ。でも、それは女だから仕方のない事(だと思う)

・・・でも、今思ったけど、相手が天人とはいえ、私達は生命を摘み取ったんだ。

だから、皆の手は汚れてしまっている。