「・・・、」

「ん?」←楽しい

「・・・す、」

「酢?」

「・・・言えるかこのバカーッ!!」



「人の事バカバカって・・・そんな傷付けて楽しいですかコノヤロー。あのSに影響されたか?」

「されてないもん!それをいうなら、銀だって充分Sだよ!」

「オゥ、銀さんはいつだって攻めでSだ。のために」

「いらねーよ!私、Mでもねーよ!」

「大丈夫だ。銀さんのゴッドハンドにかかれば、だってMに目覚」

「めない!!」



ハイ、私の第二の人生(ちょっと違うし、ある意味では第三)の幕開けです。

・・・で、今の状況はなんだってーと、その、アレだよ。・・・うん、アレだよ(なんだよ)

(皆の目を盗んで)銀が経営している万事屋に初めて来たのに、銀ってば、



『俺の事、好きって言ってー(ニ゛タリ)』



ふっざけんなー!って感じでしょ?まだあのチャイナ風な女の子ともう一人・・・メガネの男の子がいないだけいいものの。

お前、あの思春期にいい年した男女からんな事聞かれてみろ。私だったら、ドメスティックバイオレンスの引き金になるね。

しかも、笑った顔に濁点が付いたからね。Sだよ、充分。総悟君といい勝負だよ。



「んだよ、好きっつーくらい簡単じゃねーか」

「スキデス」

「・・・既にマンネリ化?あん時の可愛いお前、何処行った」

「あん時のカッコいい銀は何処行ったんですかー?」



簡単じゃねーよ、このバカ。

マンネリって言うけどね、私達は幼馴染っていうより、腐れ縁ってのが表現的に近かったんだから、初い気持ちもなくなるわ。

それに、本当にあの時はカッコよかったのに・・・今は目が死んでて天パで・・・って、天パは元からか。



「私はカッコいい銀が好きなのー」

「その銀と同一人物だ、俺ァ」

「嫌ー、押尾学人と結婚するー(冗談)」



違うけどね。芸能人とか知らないし。

私と同じ年頃の娘はキャピキャピ言いながら書店で雑誌見てる中、私は書店で文庫本探しだよ。

こないだ、総悟君がエロ本買ってるとこ見て(予想通りのSM雑誌だった)かなりビビったけど(本人もびっくり)

土方さんの部屋、掃除したら出てきたしね(めっちゃ普通だったけど、中には女子校生とかも)(ロリコン?)

山崎君は人妻系だった。

あ、いや、どれも偶然だよ、偶然見るの!

銀は全部見てそう(SM、女子校生、人妻、大中小とかとか)







「オイオイ、あんな男より、銀さんの方が素敵だと思わねー?」

「現実世界を見てみよう、銀。アンタ、モテた事ある?」

「いだだだだ!誰かァ!心専用の絆創膏ォォォ!!」



・・・なんか、溜め息吐きたくなってきた。

いや、この人のこーいう性格は同じなんだけど、なんか違う。つーか、最ッ初から違う。

だって、昔の銀は強くて、逞しくて(?)、優しくて、エロで、天パで、糖分異常摂取――――

・・・アレ、後半あたりは今と同じだよちょっとォォォ。



「アンタには心の絆創膏じゃなくて、頭の絆創膏よ」

「・・・何、この子。なんかどっかの最強(恐、凶)女思い出すんだけど」



思い出すって、付き合った事あんの、アンタ。

・・・まぁ、結構長い間、離れてたしね。恋人出来たっておかしくないか。

アレ、なんか無性に腹立って来たぞ。



「銀。帰るわ、私」

「え、何急に。つか、早くね?何しに来たのチャン」

「万事屋ってどんな仕事だろうと思って見に来たってのに、お客さん誰もいないんだね。来るだけ損したよ」

「いーかァ、。今は客いないがな、そのうち来る――――

「年収、いくら?」

「・・・・・」



あ、拗ねた。

ふん、だ。コッチだって拗ねたいんだからな。







「お邪魔しましたー」

「オ邪魔シマース」



おわぉ、びっくり。

だって、引き戸を開けようとしたら、自動的に開いたんだもん。いや、向こうが開けたんだけど。

・・・でも、猫耳?(しかも、年増)



「オヤ、見ナイ顔デスネ。アホノ坂田サンノ知リ合イデスカ?」

「(アホノ坂田サン?)えぇ、まぁ。ところで、何か」

「回覧板デース」

「あ、どうも」



ガラガラ、ピシャ



猫耳年増は立ち去った(しかも、カタカナとか読みにくいし、打ちにくい)







「オラ、アホの坂田。回覧板(ガッ!!)」

「デッ!オイ、!回覧板は意外と痛いんだぞ!いや、角だからか!?」



回覧板を銀に向かって投げたら、角がアイツの天パに刺さった。



「オラ、筆も(ズボッ)」

「ギャァァァァァ!!鼻の穴ん中入ったァァ!」



・・・帰ろう。うん、そうしよう。











「じゃーね、銀。私、コレでも仕事残ってんだから」

!!好きだコノヤロォ!だから、銀さんを見捨てないでェェェェ!!」

「勝手に吠えてれば」



ガララ、ビシャン!







「・・・ハァー・・・簡単に言うなよ、あのバカ」



引き戸を閉めて、ズルズルとそのまま座り込む。

後ろでまだ『ちゃァァんんんん!!』とか聞こえる、恥ずかしい。

昔の銀とえらい変わりようだけど、でも、好きなんだよ、私も。

ちゃんと好きって言える雰囲気になったら言うからさ、銀。

・・・当分、無理そうだけど。











1.最早告白あるのみ