わしゃわしゃわしゃ

「・・・ぺい!(ペチッ)」
「オイ、新たな嫌がらせか?」
「あ、ダメですね。いつ、気に入らなかったようです」





第十二話:頭フェチ?





「ぺい!ぺい!(ペチペチペチ)」
「あ、太鼓としては気に入ったようですよ」
「それはどういう意味だ?頭がカラだとでも言いてーのか」
「よくわかってんじゃないですか」
「よし、そこに直れ(チャキ)」
「うわー、赤ん坊の目の前で母親の命を奪うとか、そこまで鬼でしたかー(棒読み)」
「む〜・・・ぺい!(ペチ!)」
「大体、樹は何がしたいんだ。頭掻き回したかと思えば叩いたり」
「昨日、銀さんのとこに行ったんですよ。そしたらいつ、定春の毛と銀さんの頭が気に入っちゃって」
「ぺいぺいぺい!」
「で、土方さんの頭も気に入るかなと思ったんですが、ダメですね。マヨネーズでセットした頭じゃ」
「してねーよ!」
「総悟の頭も試したんですが、微妙な反応でしたね。柔らかいけど天パじゃないし」
「あ〜、ぁ〜♪(ペチ、ペチ)」
「あ、歌い始めましたね。完璧太鼓扱いですわ」
「オイ、樹。俺の頭はお前の遊び道具じゃねーんだぞ」
「いいじゃないですか、ちょっとくらい。元から頭カラなんですから。微妙なあやし方しか出来ないんですから」
「言ってくれんじゃねーか」
「ちょっと、いつがいるのに変なオーラ出さないで下さい」
「誰の所為だと思ってんだァァァ!!」
「キャッキャv」
「おぉ、流石私の娘。今の怒声で泣かないとは」
「・・・本当、泣かねーよな、普段から。赤ん坊のくせに」
「怒る時やぐずる時はあるんですけど、大泣きした事があまりないんですよ。職務放棄かァァァ!!」
「何!何なのお前!」
「あぶ〜(ずるずる)」
「おわっ!?なんか顔に落ちて来やがった!」
「ぉ、あ〜v(バタバタ)」
「あ、暴れんな樹!」

パシャパシャ

コラァ!!写真撮ってる暇あったら助けろ!」
「いや、あまりにも貴重なんで。土方さんの顔がいつの後姿になっています。笑えます」
「お前ェェェ!!樹可愛くねーのか!」
「何言ってんですか、土方さん。人聞きの悪い事言うなコノヤロー。殺すぞ」
「だから、子供の前でそんな単語使うんじゃねェ!」
「あ〜(ずる、)」
「っと、」
「きゃっきゃっvv」
「逆さまになってんのに喜んでる、いつ」
「・・・似てるな、アレと。顔が」
「(あ、アレ呼ばわり)やっぱりそうですよね。総悟に似てますよね」
「あ〜、あ〜♪」
「あ、また歌い始めましたね」
「なんの歌だ?それ」
「・・・言っちゃってもいいんですか?」
「?あぁ」
「アレですよ、総悟が『死ね〜、土方死ね〜』と呪文言ってるのをいつが歌だと思って覚えてしまったんですよ」
「あ〜、あ〜♪」
「・・・総悟ォォォォォォ!!」

バタバタバタ・・・ッ!!

「・・・土方さんの前しか歌わないしね、いつ」
「ぉ!v」







その後

「ってぇ・・・」
「う、ぁ〜(なでなで)」
「まぁ、見事なたんこぶ」
「土方の野郎ォ、昼寝中にいきなり殴りやがって・・・。何が樹の前で呪文言うな、だ。樹に覚えて欲しいからやってんのに」
「(それって、呪文自体は言っていい事かな、土方さん)覚えてるよ、いつ。歌としてだけど」
「マジでか!ちょ、樹、言ってみ?」
「土方さんの前しか歌わないみたい。歌うと言っても、言葉じゃなくて『あ〜』だけどね」
「まぅ〜」
「なんでェ、つまんねー」
「あ、そうそう。いつが写ってる写真、現像出来たんだ」
「ヘェ、どれどれ・・・。・・・!コレ・・・」
「あぁ、それ今日撮った奴。土方さんの頭で遊んでたいつが落ちて来た時の」
「・・・チューしてねェか、コレ?」
「へ?・・・あ、ホントだ。してるように見える(実際してないだろうけど)」
「ちょっくら殺って・・・やってくらァ」
「グッドラック!」
「ぐ!」









  





樹ちゃんの初チューは勿論パピー(笑)
(2007.5.3)