特別武装警察、真選組一番隊副隊長、志村
今、魂に収めた剣を抜き、参ります。





第一訓:夢は過去を思い出させる道具でもある





侍の刀はなァ、鞘に収めるもんじゃねェ、自分(テメー)の魂に収めるもんだ。

時代はもう侍なんざ必要としてねェがよ、

どんなに時代が変わろうと、人には忘れちゃならねーもんがあらァ。

たとえ剣を捨てる時が来ても、

魂に収めた真っ直ぐな剣だけはなくすな。





嗚呼、雲一つ無い江戸の空、

もう一度拝みたかったなァ・・・。






















ドカンッ!!



「ふぁらぉお!?」
「・・・妙な起き方だな、
「そりゃぁ、あんな爆音聞こえたら『ふぁらぉお』も出たくなりますよ!あー、びっくりした」
「勤務中に惰眠貪る奴の方がびっくりだわ」
「いやー、すっごい懐かしい夢を見ましたよ、土方さん」
「ほー、どんなんだ?」
「侍の刀は鞘じゃなくて魂に収めるもんなんですよ」
「は・・・?」
「ってのは、父上が死に際に残してった言葉です」


ふと隣を見ると、まだよだれを垂らして気持ち良さそうに寝ている男が(一緒に寝たんだっけ)
土方さんは総悟にクシャクシャに丸めた紙を頭にぶつける。


「お前、よくあの爆音の中、寝てられるな」
「爆音って・・・またテロ防げなかったんですかィ?何やってんだィ、土方さん。真面目に働けよ」
「もう一回眠るかコラ」


パチッとテレビを付ける。
丁度、今の爆発について臨時ニュースをしていた。
監視カメラに映っているのは3人。
一人は平常通りで、一人はオーってな感じで口を開け、一人はメガネが吹っ飛ぶほど驚いている。
お〜、バッチリ映ってますね〜。


「ふむぅ、奥にいる2人、結構若いというか子供ですよ」
「関係ねェ。監視カメラに映っている以上、コイツ等はテロリストだ」
「うむ〜・・・」


なーんか、一番奥にいるメガネが吹っ飛んでる子、見た事あるのよね。
しかし、一味の拠点を押さえて来た退が戻って来、その疑問は頭から離れていった。











バンッ!

「御用改めである!神妙にしろ、テロリスト共!」
「しっ・・・、真選組だァッ!!」
「イカン!逃げろォ!」
「一人残らず討ち取れェェ!」


刀を抜き、そこら辺にいた奴に振り落とす。
コイツ等はなんつーか、雑魚だな。油断するつもりは無いが。
キンキン、刀のぶつかり合いをしてたらバズーカの爆音が聞こえた。
見ると、総悟が土方さんを撃っていたではありませんか(よくやった、総悟)
でも、奴は生きていた(チッ)


「オーイ、総悟。左にとーんーでー(バゴォッ!)」
「どわァァァ!!」
「死にましたか、土方さん」
「死んで堪るかァァァ!!」
「チッ、しくじった」
「毎度毎度お前等はァ・・・ッ!!」


過ぎたるは及ばざるが如し(意味違う)
春眠暁を覚えず(もはや訳わかんない)
まぁ、今回は失敗したけど、今はあっち優先か。






「オーイ、出てこーい」
「マジで撃っちゃうぞ〜」

「土方さん。夕方のドラマの再放送が始まっちゃいますぜ」
「渡る世間は鬼しかいねェチクショーだよね」
「ヤベェ、ビデオ予約すんの忘れてた。さっさと済まそう、発射用意」


が、隊士が構えた瞬間、向こうから盛大な音を立てながらコッチに出て来た。
なんだ、身の危険を感じたからか?
だが、それにしてはやたらと猪突猛進な。


「なっ・・・、何やってんだ!止めろォォ!!」
「止めるならこの爆弾止めてくれェ!!爆弾処理班とかさ・・・、何かいるだろオイ!」


ゲッ、爆弾!?
突っ込んできた男の手の中の爆弾を発見した皆はその男と同じ方向へ逃げる(私も)
窓に向かって逃げてるらしいが、無理だろう。って、私達もヤバクね?
密かに冷や汗を背中に感じてたらなんと、女の子が傘で爆弾を持ってる男を野球ボールの如く打ったではないか。
勢い良く飛んで、窓を突き破ったその男は出来るだけの力を振り絞って爆弾を空へ投げた。
なんて無茶な事を、と考えてる間に爆弾は大きな音を発しながら爆発した。
暫くの間、空に爆発した爆弾を眺めている私達なのでした。









雲一つ無い江戸の空、

もう一度拝みたかったなァ・・・。












 





最初から書き直します、お付き合い下さいませ。
(2007.1.21)