短冊に願い事書くって言うけど、叶った事なんて一度もねェや。





番外:本当の望み?





『プレゼントたくさん。     沖田総悟』



「・・・オイ、なんだこのふざけた短冊」
「まぁ、明日はアイツの誕生日ですし」



『ミントンを自由にしたい・・・。     S.Y』



「イニシャルにする意味あんのか?」
「なくてもわかりますよね。てか、どんだけミントンに執着してんだろ。いや、私も好きだけど」



『お妙さん命!     近藤勲』



「いや、達筆で書かれてもな」
「命って何?『お妙さんと結ばれますように』じゃなくて命なんだ」



『マヨ。     土方』



「アンタに至っては何が望みなのかわかりません。つか、わかりたくないです」
「なんだと」



『とりあえず金。     志村
『何がなんでもお金。     志村
『道場復興。     志村
『借金チャラ万歳。     志村
『あれ、お金の大切さって何・・・。もうわかんないや。      志村



「お前、コレだけ見たら嫌な女だな。最後の二つは願い事でもなけりゃ、意味不明だし。特に最後」
「どースか?恒道館の門人になりませんか?」
「誰がなるか。てか、朝から疑問持ってたんだけどよ、このデカイ笹、誰が持って来たんだ?」
「総悟です。なんか、商店街から拾って来たとか」
「大丈夫なのか?バレてないのか?」
「さぁ。まだ何も来てないから大丈夫じゃないんスか?」








・・・・・。
アイツ等、いつまであんなところにいるんでェ。
なんだ、仲良しか?年が離れてるくせに仲良しこよしかコノヤロー。
それとも年が離れてるから兄妹か?見えなくもねーけど。
あー・・・、なんか知んねーけど苛つく。


「あ、総悟だ!」


あ、気付かれた(別にいいんだけど)(なんか今は・・・)


「お前、なんだこの願い事は。鼻先の願い事書いてんじゃねーよ」
「人の事言えやせんよ(なんだよ、マヨって)」
「プレゼントたくさんって・・・。心配せんでも、近藤さんがお祝いしてくれるのに。宴会にして」
「プレゼントは思い出より物がいい」
「お前の心は何処ですか。因みに私は現金がいい」
「お前が一番性質悪いっつの」


金が絡むと一層、可愛くなく見える。
外見は可愛いの類なんだろうけど、どうもそう見えない。
そりゃ、天然で18の割にはまだ子供っぽいから可愛いっちゃ可愛いかもしれねーが、金が絡むとダメだな。
加えて男装も傷だな。本人は男装のつもりじゃないってか、普段着だって言ってるし。


「思えば、色恋沙汰の願い事、近藤さん一人だけですねィ」
「コレって色恋なの?命が色恋なの?」
「お前等はどうなんだよ。そろそろ恋人の一人ぐらいいたっておかしくない年だろ?」
「いんやー・・・、俺は別に(男ばっかなところで働いてるし)」
「私もなんつーか・・・、マジで男全員芋に見える」
「「は?」」
「あ、可愛い新ちゃんは別ですけどね。たまに人数合わせで合コンに行くんですけど、どいつもこいつもパッとしない・・・」
「何参加してんだテメー。どういうところかわかってんのか」
「男に奢らすだけ奢らせて帰る。姉にそう教わりました」
「それ女の広辞苑んん!!」


この人は何処まで過保護なんでィ。
もうコレよー、妹がどうのこうのじゃなくて、に気があるんじゃ?・・・苛つく。
・・・・・。
あれ?なんだコレ・・・。


「じゃぁ、どういったのがタイプなんでェ?」
「そっだなー・・・。頭に思い浮かぶのは三高なんだよねー」
「「は?」」
「だから、高身長、高給料、高学歴って事!自分よりちっさかったらなんかアレだし、高学歴=高給料だし」


なんつー、古臭い・・・。今時そんな考えのもった女子(おなご)いねェよ。
自分より小さいって、お前がデカ過ぎなんだよ。俺と大差な・・・、


「だったらお前はそれさえ揃っていりゃ、顔とか性格はどうでもいいのか?」
「そりゃ出来れば顔も性格もいい方がいいに決まってますよ。でも、そんな男、この世にはいないでしょう」
「そーだな・・・。どれか二つ三つは欠けてるもんだな」


・・・・・。
三高は高身長、高給料、高学歴っつったな。
で、顔と性格が出来ればいい方・・・。
コレ、当て嵌まる人いるんじゃね?





例えば土方さん。
あの人はより10センチも身長高いし、給料いいし、副長だし。
それに顔はいいけど性格と味覚はアレだな・・・。

で、次に近藤さん。
身長めちゃ高いし、給料めちゃいいし、局長。
顔はゴリラだが性格は全然いい(ストーカー除く)でも、想い人あり。

山崎はどうだ?
と身長はほんのちょっとの差で、監察として有能だから給料いい、学歴じゃないけど、家は代々医者だって言ってた。
顔は微妙だけど、性格はと合ってるようだし。欠点といえば地味。

ついでに旦那は?
身長は土方さんと同じぐらいで。・・・あ、給料と学歴よくねーや。
でも、顔はいい方だし、大切な人は全力で護ってくれそーだから、そこに惚れるって人はいるんじゃ?





あれ、に相応しい男、わんさかいるんじゃね?
対して俺はと比べて身長高くないし、給料はまぁいいとしても、学歴(職歴)としては十まであるうちの一つの隊の隊長だ。
顔は自分が嫌って思うほどの女顔、性格は自分が認めるほどサディスト。
なんか・・・段々、落ち込む。
・・・え、落ち込む?なんで?


「なんか訳わかんねェけど・・・兎に角死ねェ!土方ァ!」
「なんだ急に!理由を言え理由を!」
「だから、わかんねェっつってんだろィ!」


なんだろ、本当に。
別にが誰を好きになろうが、関係ねェのに。
本当に関係ない。











朝。

変な気持ちのまま眠りに就いたから気持ち悪い。
モヤモヤが胸のあたりでグルグル。
とりあえず顔洗って水でも飲んでこようと思い、起き上がる。





あー、気持ち悪い。
水を飲んだらちょっとはスッキリしたけど、完全にスッキリならない。
IQサプリで全然解けなくて答え出された時の気持ちと一緒だ(モヤットボール)
仕事サボる気にもならなくて、というか寧ろ、仕事で気を紛らわそうと思っている。
俺がこんな考え持つなんて到底なかった。
コレは誰の所為だ。好きなタイプを言ったの所為か、俺が勝手に解釈した所為か。
ったく、誕生日だってのになんでこんな。


は?」
「え、非番ですよ、あの子」


あー・・・、そういやアイツ非番だったな。いねェと思ったら。
ヤベェな、部下の非番の日もわかんねーとは。
・・・アイツ、何してんのかなー・・・。









夜。

あー、お疲れ様っと。
疲れた。帰って早々、近藤さんに捕まって誕生パーティーだなんだ参加されたんだよな。
酒飲めたから良しとするけど、飲みすぎた。
あ、は珍しく飲まなかったな(酒に弱いからすぐ脱ぐのに)(チッ)
頭がぐわんぐわん鳴ってる。


「総悟やーィ?」


・・・?が来たのかな。
でも、目が虚ろだ、多分。だって、瞼が上がらない。
見えてんのに、ぼやけてる(視力2.0なのに)


「飲みすぎだよアンター。折角の誕生日なのに潰れてどうすんの」


その通りでごぜーます。


「アンタが潰れちゃって、皆プレゼント渡すに渡せなかったから居間の隅っこに置いてあるよ」


隅っこって何?邪魔扱い?


「で、私は直接渡したいから来たんだけ、」
「乳触らせて」
「死ね。それがプレゼントな」
「なんでェ、ちょっとくらいいいじゃねーかー(手ブラブラ)」
「ちょ、マジで触る気?いつもあんなに貶してるくせに!」
「全くねーって訳でもねーだろィ?」
「や、確かにそーだけど・・・って、あるからこそ問題なんじゃない!」

ふにゅ

「わっ、」
「あー・・・、やわらけー・・・」
「(この酔っ払い)」


女はいいなー、柔らかい。
は筋肉質だけど、ちゃんと成長して・・・るのか?


「ん・・・?、ノーブラ?」
「なんでわかんの」
「感触が・・・。あと乳首がかた(バンッ)」
「バカッ!」


ひでーや、殴るなんて。
てか、触らせてくれてるけど、俺が酔っ払ってるからだとでも思ってんのか、コイツ。否、間違ってはねーが。
酔っ払うともうどうでもよくなる。セクハラだろーがなんだろーが。
・・・この胸で寝たら気持ちいいかなー・・・。


「(すりすり)(頬ずり)」
「ん、どうしたの?」
「・・・おやすみ」
「え!?ちょ、何処で寝る・・・!」
「クカー・・・」
「早ッ!寝んのはえーよ!」


なんかふわふわする・・・。
コレは夢・・・?











「ふぁ〜・・・」


頭いてー・・・。
昨日・・・飲んだとこまでしか記憶ねーや。
が来たような気するけど、なんか凄く薄くなってる、記憶が。


「今日は仕事やってらんねーな・・・。・・・ん?」


あれ、こんな箱あったっけ?


『セクハラ大魔王へ』


セクハラ・・・って、俺か?俺の事か?
つか、コレかな・・・。セクハラって書いてあるし。




ガサガサ

『Happy birthday!!

 何買っていいかわかんなかったから、私の趣味を。
 中身サボテンだから。水あげて、日の当たるところに置いててね。
 花咲かせるもんなら咲かせてみやがれアッハッハー。

 P.S.
 一週間で枯らしたら今後一切プレゼントなしな』




・・・なんだ、この脅し&挑戦的な手紙。
サボテン・・・植物なんて育てた事ねーよ。昔、朝顔枯らした経験あるし。
つか、コイツ花なんて咲くのか?サボテンなんて刺があるだけじゃん。


「・・・まぁ、枯らさないように頑張るか。って、枯れるもんなのか?コイツ」


その日、に『セクハラ大魔王ってなんの事でィ』って聞いたら、呆れた顔で見られた。
因みに俺の中のモヤはとっくになくなっていた。











END





沖田の心境はこんな感じで。
ギリギリのアップ・・・。明日は絵がアップ出来ればいいなと思ってます。
(2007.7.8)


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