妖怪は多種多様な生物である。
人間みたいなナリの奴がいれば、ゲテモノまで様々だ。
私はどっちかっていうと人間寄りのナリかねぇ。
人間界に行っても、耳さえ隠してりゃ、人間になりきれる。
一部の妖怪は人間界でアイドルしているっていう輩もいる。
私は人間界が楽しくてしょっちゅう来ている。
人間界で人間と戯れる時もありゃ、妖怪と戯れる時もある。
それなりに充実した毎日を送っている。



好きな人が出来た。
人というか、妖怪なんだけどね。
いつも無愛想で礼儀というものを知らん奴なんだが、頼りになるとこがとても大好き。
本人の前じゃ死んだって言わないけどね。
だって、片想いなんだもの。
この想い、伝わる事はないだろう。
私の中でそっとそっと仕舞い込んでしまおう。

あ、なんか来たみたいだね。


「オイ、躯が呼んでいる」
「伝令ありがと」
「何故貴様は魔界じゃなく人間界にいるんだ、いつも」
「いいじゃん、別に。自由でしょ、私の」
「呼びに行かされる俺の身になれ」


でも、なんだかんだ言って呼びに来てくれるよね、飛影。
飛影以外呼びに来てくれる人っていないんだけど、気の所為かな?
飛影がいつも呼びに来てくれるから私、人間界にいるんだよ?
なんて、貴方は知らないんでしょうがね。



妖怪は欲深い生物である。
どうやら私は今の飛影との位置関係で納得出来ないとこがあるみたい。
好きだよ、飛影。













幽白では人間ヒロインより妖怪ヒロインの方が好きです。
(2010.3.25)

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